Australian Embassy Tokyo
在日オーストラリア大使館

日豪外務・防衛閣僚協議(「2+2」)共同記者会見

ジュリー・ビショップ外務大臣

マリース・ペイン国防大臣

 

2017年04月20日

 

ビショップ大臣:このたび第7回日豪外務・防衛閣僚協議(「2+2」)にあたり、東京にてこの時期にご歓迎下さった主催国日本側の岸田大臣、稲田大臣に感謝申し上げます。地域や世界の脅威や課題、機会について共に語る上で、時宜を得た、良い機会であると思います。

日豪は特別な戦略的パートナーシップを有しており、この呼び方は重要です。というのも、両国は共にインド太平洋地域の先進経済国であり、米国の同盟国であるからです。重要な点ですが、両国は共通の政治的価値観や共通の戦略的利益を有しており、この地域や世界について、驚くほど似た見方を取っています。

両国はすでに北朝鮮による脅威の拡大等、特定の課題について議論しています。北朝鮮の違法で好戦的なふるまいを抑える点に関し、両国は全ての選択肢が俎上にあるとする米国のやり方を支持しますが、朝鮮半島の安定と安全を平和的手段で確保したい点で意見が一致しています。

地域に平和や安定、安全をもたらす協力をいかに続けるかについて、両国は議論してきました。自由で開かれた日本のインド太平洋戦略は、同地域の重要性に関するオーストラリアの見方と一致しています。

私たちは共に、引き続きルールを基盤とした国際秩序を支持、保護し、相違点は平和裏に、国際法に則り解決するよう全ての国に働きかけるべきであると考えます。

両国はまた、各二国間会合において、及び本閣僚協議の一環として、経済分野での協力を継続させる必要性や、自由で開かれた貿易を引き続き支持する必要性を協議しました。また、私たちの地域が発展、繁栄を遂げ、世界で最も経済が活力に満ちた地域となるのを可能にしたルールや規範に従い行動するよう、他国に働きかける必要性についても議論しました。

今夜の夕食会で、両国の話し合いを続けるのを楽しみにしています。夕食の席では、両国が地域において正義の力であるために、引き続き協力していく具体的な方法について懇談します。また核不拡散や懸念すべき化学兵器の使用、テロ活動の進化、テロ対策における両国の対応、さらには太平洋地域への深い関与を含む特定の地域問題に関連した、私たちが直面する他の課題についても協議を行います。

 

ペイン大臣:皆様こんばんは。日本の同僚である岸田大臣、稲田大臣に御礼申し上げます。いつもながら東京に来ること、またこのように、魅力的で献身的な同僚の方々に出迎えていただくことは大きな喜びです。

無論、今回は第7回日豪外務・防衛閣僚協議(「2+2」)であり、私にとっては2度目の出席となります。日豪が同じ志を持つパートナーとして、閣僚レベルで定期的に会合を持ち、地域の平和や安全保障問題、岸田、稲田大臣がおっしゃったように、日豪及び日米豪間で安全保障・防衛協力をより強化する機会について協議することは重要です。現在のように戦略的環境が急速に進化する中、まさに時宜を得た会合といえます。

オーストラリアの日本との防衛関係は、2016年の防衛白書に枠組みが謳われています。防衛分野でのパートナーとしての日本の大切さや、インド太平洋地域の安定や繁栄、特にルールを基盤とした国際秩序に日本が果たす重要な貢献が、本白書では強調されています。

私たちは実際、広さと深さがあり、成長を続ける日本との特別な戦略的パートナーシップに強くコミットしています。2017年は、当時のハワード首相と安倍首相が2007年に署名を行った、安全保障協力に関する日豪共同宣言から10年目にあたります。10周年を機に、日豪関係とその深くて非常に幅広い具体的協力について振り返る、優れた機会です。

「2+2」協議の前半で参加した大臣が本日おっしゃったように、両国はすでに地域の安全保障における、一連の互いの懸念事項について意見を交換しています。実際今夜の夕食会でも、こうした議題についての話し合いが続くでしょう。

オーストラリア国防軍と日本の自衛隊による二国間防衛関与や、協力を深めるための一連の新たな具体的措置に関して、両国は合意しています。この合意はここ3回の「2+2」協議を通じ、2014年以降行われてきた44の取り組みの一部を土台としています。

こうした取り組みには、両国の情報共有をより強化する措置が含まれます。これらは昨年10月、両国が署名した防衛当局間情報共有取り決めや防衛訓練の拡大、特に重要な地域の能力醸成によって支えられています。これらは両国の取り組みが特に互いに補完性を発揮する、非常に効果的な分野です。

両国はまた重要な点として、共同運用や訓練を円滑化する事務、政策、法的手続きを相互に改善する協定の交渉に引き続き合意することを確認しました。したがって、この点できわめて前向きの関与となっています。昨夜は稲田大臣と、大変有益な二国間会合を持つことができました。日豪防衛関係の深さと奥行きについて、今後も協議していきたいと強く願っています。

 

記者:本日午後の会合で、四カ国安全保障対話復活の可能性を話し合われたと理解しています。どうして日本はこの枠組みに熱心なのでしょうか? また、中国はこれをどのように受け止めると考えますか? もうひとつ、北朝鮮の核廃棄を実現させるために、どのような特定の措置を中国に取ってほしいと考えますか?

 

ビショップ大臣:オーストラリアは、米国が加わった日米豪戦略対話に参加しています。私たちはトランプ新政権とこの戦略対話の強化について議論しましたし、岸田大臣は過去に、米国との戦略対話会合に参加されています。

オーストラリアと日本、インド間の三カ国戦略対話については、初期の段階です。ターンブル首相は最近、インド訪問を見事成功させました。私たちは自ら認めるように、インド太平洋地域における力強く、逞しい経済国家であり、G20の一員です。政治システムも共通しており、実際日豪印の三カ国は、世界のこの地域で最も強固で力強い民主主義を有すると思います。共通の価値観や見通しから考えますと、私たちが協力して、共通の課題や関心について話し合いを目指そうとするのは避けられません。

北朝鮮については、日豪両国は二国間会合を通じ、違法で悪質、違法かつ好戦的なふるまいは許容されないという、大変強力なシグナルを北朝鮮に送るための米国の介入を支持することを話し合ってきました。北朝鮮はすでに多くの国連安保理決議に違反するにも関わらず、これらを無視し、こうした決議や国際法に挑む形で、核や弾道ミサイル実験を行っています。

‘全ての選択肢が俎上にある’という考えには対話が含まれており、私たちは当該国に対し、北朝鮮との関与を始める方策を検討するよう確かに働きかけています。また北朝鮮に対し、自らのふるまいが地域や世界の安全を危険に晒しているというメッセージをいかに送るか、米国や他の懸念する国からの新しい、創造的なアイディアを歓迎します。中国は北朝鮮と独自の関係を築いており、事実上、北朝鮮による全ての海外直接投資や貿易、専門知識等の根源である点から、私たちは中国はより多くのことができるし、そうすべきであると信じています。北朝鮮が自らのふるまいを変えるよう、この国に関与していく方法を、これからも日本や米国、韓国と協議していきます。それがなされるのは外交を通してなのか、経済制裁を通じてなのかは、進行中の協議のテーマでありましょう。中国ははるかに多くのことができるため、私たちは中国に確実にそのように促していきます。