2017年4月18日に、オーストラリア政府は2018年3月からテンポラリーワーク(Skilled)ビザ(サブクラス457)を廃止し、新たにTemporary Skill Shortageビザ(TSS)を導入すると発表しました。
TSSビザは最長2年までのShort-Term stream (短期間ストリーム)と最長4年までのMedium-Term stream (中期間ストリーム)の2種類で構成され、高度人材が不足しているビジネスをサポートし、オーストラリアの労働を優先・保護する役割を果たします。
この新しいビザは、オーストラリアのtemporary and permanent employer sponsored skilled migration プログラムの一貫性や質を強化するための、政府の重要な改革案の一部を担っています。
主な改革点:
- 新しい必要条件を伴うtemporary skill shortageビザの導入 (以下を含むがこれに限定されない)
- オーストラリア労働市場にて必要とされている職業スキルに連携した、より対象を絞った新しい職業リスト
- 熟練を要する職業において、最低2年以上の職務経験が必要
- オーストラリア労働者が、海外からの労働者より安い賃金で雇用されることのないよう、最低市場賃金率の設定
- 労働市場テスト必須 (但し国際協定が該当する場合は除く)
- Short-Term ストリームにおいては、オーストラリア国内にて1回限りビザ更新申請を可能とする
- Medium-Term ストリームでは、3年間の就労期間が経過した後、オーストラリア国内でのビザ更新申請及び永住ビザ申請を可能とする
- 就労後に永住ビザを申請する場合、residence eligibility periodをこれまでの2年から3年へ延長とする
- 雇用主がオーストラリア労働者に対して差別することがないよう、non-discriminatory workforce testの実施
- 雇用主がオーストラリア労働者の為にトレーニングを提供するよう、条件を強化
- 移民・国境警備省はタックス ファイル ナンバーを収集し、Australian Taxation Officeの記録との照合を実施
- 犯罪経歴証明提出の義務化
- Employer sponsored permanent skilledビザの必要条件を厳格化 (以下を含むがこれに限定されない)
- 英語力必要条件の強化
- 最低3年以上の職務経験を有すること
- 申請時に45歳以下であること
- 雇用主がオーストラリア労働者の為にトレーニングを提供するよう、条件を強化
- 雇用主はオーストラリア給与市場価格に見合った給与を支払わなければならず、かつTemporary Skilled Migration Income Threshold1 (Temporary Skilled Migration基準値の要件)を満たすこと
- オーストラリアの地方(regional Australia)におけるコンセッション継続:
- オーストラリアの地方における雇用主は、職業スキルのニーズにあわせて、一時居住ビザや永住ビザの職業へのアクセスを継続
- ノミネーション申請料金免除や特定の職業に関する年齢制限免除など、オーストラリア地方における、現存している永住ビザのコンセッションは継続。必要に応じ、オーストラリアの地方における、年齢条件を免除されている職業リストの拡大を検討予定
- サブクラス457ビザを含む、技術永住ビザに現在使用されている職業リストを2017年4月19日より大幅に凝縮
これらの改革の実施は直ちに開始され、2018年3月までには完了する予定です。
改革に関する更なる情報は以下をご覧下さい[英語のみ]:
- 変更に関するプレスリリースはMinister for Immigration and Border Protectionのサイトからご覧下さい。
- この改革についての詳細が記載されている概況報告書は以下をご覧下さい:
- 職業リストに関する詳細はこちらをご覧下さい。参照: List of eligible skilled occupations
この件に関する詳しい情報は、随時掲載する予定です。