Australian Embassy Tokyo
在日オーストラリア大使館

戦略的パートナーシップ

日本はオーストラリアにとって特別な戦略的パートナーであり、このパートナーシップは両国の戦略的・経済的な利益にとって、非常に大きな重要性をもちます。両国はともに民主主義、人権、法の支配を誓い、国際安全保障に共通のアプローチを講じており、こうした土台が日豪関係を支えています。

戦後の日豪関係の発展を振り返ると、大きく分けて3つの段階が見られます。

 

二国間関係

現在、日豪共通のパートナーシップ・アジェンダからは、両国間の友情と二国間関係の幅広さがはっきりと見て取れます。

日豪安全保障関係は、強力かつ多岐にわたります。両国は、共通の同盟国である米国と緊密に連携する一方で、インドや韓国などの国々と、重要な地域パートナーシップを結んでいます。オーストラリアと日本は、定期的に共同防衛演習に参加し、北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射など、地域内の安全保障課題について頻繁に協議しています。

2022年10月にアルバニージー首相と岸田首相が改定・発表した「安全保障協力に関する日豪共同宣言」は、域内における安全保障上の最緊急課題に対策を講じるために、協力を強化・拡大しました。安全保障・防衛面での協力強化の一環で、既存の共同演習・訓練の拡大など、相互運用性を高める方法の特定が図られました。

2019〜2020年のオーストラリア森林火災に対策が講じられている間、日本は、軍民の輸送にあたるC-130H輸送機2機、防護マスク、500万豪ドルを超える寄付金など、オーストラリアに貴重な支援を提供しました。オーストラリアは同様に、2011年東日本大震災の後、捜索救助隊や輸送機の派遣、放水装置の提供、1000万豪ドルの寄付など、日本に幅広い支援を行いました。

両国間では、日豪外務・防衛閣僚協議(「2+2」)が定期的に開催されています。2022年12月9日には、第10回日豪外務・防衛閣僚協議が開催されました。同閣僚協議においては、同年10月の両国首脳会合の際に「安全保障協力に関する日豪共同宣言」や共同声明などを通じて提示された野心的なビジョンが、両国の外務大臣および国防・防衛大臣によって再確認されました。また、同日豪共同宣言に沿った二国間協力の拡大と深化に焦点が当てられました。例えば、安全保障、防衛、科学技術、経済安全保障、サイバー、宇宙、情報共有、東南アジア・太平洋における取り組みといった分野です。

オーストラリアと日本は、米国とインドとともに、クアッドに参加しています。クアッドは、開かれ、包摂的で強靭なインド太平洋地域を支えることに焦点を当てた、前向きかつ実践的なアジェンダを有しています。2023年5月19〜21日のG7広島サミット期間中に、アルバニージー首相は、岸田首相、モディ首相、バイデン大統領を招き、対面で3度目となる日米豪印首脳会合を主催しました。同首脳会合は日米豪印の協力をさらに深め、地域の課題への対策として講じられている積極的かつ実践的な行動を提示しました。また、地域への貢献を誓った強いメッセージを送り、域内共通課題に対処するとともに、クアッドのコミットメントの進捗を確認する場となりました。

オーストラリアと日本は、両国共同で2010年に立ち上げた、地域横断型の「軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)」を通じてなど、核兵器不拡散条約(NPT)を支える取り組みを力を合わせて主導してきました。オーストラリアと日本はまた、包括的核実験禁止条約(CTBT)フレンズ会合の共催国でもあります。

オーストラリアと日本は、米国とともに、持続可能なインフラ開発を促進し、地域インフラへの民間投資の動員に注力する、日米豪パートナーシップを創設しました。2020年10月、同パートナーシップ下で初となるプロジェクトが発表されました。日米豪の協力のもと、パラオへの光海底ケーブル敷設が支援されることになります。それ以降もオーストラリアは、インフラ面での他の取り組みを支援するために、日米と三国間で協力を進めてきました。例えば、東部ミクロネシア海底ケーブルや、テルストラによるデジセル・パシフィックの買収といった案件です。日米豪は、2022年10月にインド太平洋地域での協力に関する覚書を更新しました。この覚書では、クアッドとも連携して、インフラに取り組むことが強調されています。

オーストラリアと日本は、インド太平洋地域の安定性、強靭性、繁栄を維持するために協力しています。両国は力を合わせ、ワクチン供給を通じてなど、隣国の太平洋・東南アジア諸国がコロナ禍への対策を講じ、その後の復興を図れるように支援しています。国際開発協力に関して日豪が2011年に締結した覚書は、教育、保健、食料安全保障、インフラなどの分野における情報交換と協力を促進しています。

両国は東南アジアへのアプローチをそれぞれ強化していましたが、2022年の日豪外務・防衛閣僚協議を通じて、さらなる発展が図られました。また、経済発展、安全保障協力、エネルギー移行など、ASEANと東南アジア相手国との間で相互に決定した優先事項に向けて、日豪は協働しています。

2016年には、「太平洋における協力のための日豪戦略」に合意しました。本戦略では、効果的なガバナンス、経済成長と持続可能な開発、安全保障・防衛協力、外交イニシアチブの4つの協力分野が取り上げられています。

2022年の日豪首脳共同声明は、「ブルーパシフィックにおけるパートナー(PBP)」等を通じて、重要インフラ、災害復旧と強靭性、海上安全保障など、太平洋にとって重要な主要分野について、日豪が他のパートナーとの効果的な協力の拡大を追求することを明示しました。両国首脳はまた、気候変動に関して、重要な行動をとることへのコミットメントを確認しました。

オーストラリアと日本は、アジア太平洋経済協力(APEC)、東アジア首脳会議(EAS)、G20、ASEAN地域フォーラム(ARF)などの地域フォーラムにおいて、緊密に協力しています。また、オーストラリアは、日本が目指す国連安全保障理事会の常任理事国入りを支持しています。