Australian Embassy Tokyo
在日オーストラリア大使館

過去のイベント 2005

2005年のイベント

ショート・アニメ映画『Hello』

2005年1月1日
オーストラリア人アニメーター、ジョナサン・ニックス(Jonathan Nix)がお送りするショート・アニメ映画『Hello』の公式サイトがオープンしました。

『Hello』は、CDプレーヤーの女の子エメラルドに恋する、カセットデッキのチャーリーのラブストーリーです。

フランスのAnnecy映画祭における「Fipresci film critics prize」をはじめ、数々の賞を受賞した『Hello』は、おしゃれでハートウォーミングな作品です。どうぞ「Hello」公式サイトを訪れてみて下さい。

Hello公式サイトでは、予告編の公開、作者ジョナサンの制作日記、壁紙ダウンロードをお楽しみいただけます。また、現在「Hello」は劇場公開にむけて準備中ですが、映画公開の情報も随時『Hello』公式サイトにてお知らせいたします。

さらに現在、ジョナサンはHelloの続編を制作中です。悪戦苦闘の制作の日々が、日記コーナーで公開されていますのでどうぞお見逃しなく!

 

震災復興10周年記念国際公募展 - 兵庫国際絵画コンペティション

2005年1月17日-2月20日
平成14年4月、阪神淡路大震災からの「文化の復興」のシンボルとして県立近代美術館を発展的に継承した兵庫県立美術館が、神戸東部新都心(HAT神戸)に開館しました。この美術館の存在自体が、被災した人々に対する精神的な励ましとなり、心の豊かさを取り戻す契機となるよう、ここでは展覧会だけでなく、美術とそれ以外のさまざまな芸術との融合を目指した多彩な活動を展開してきました。

震災から10年目にあたる平成17年(2005)1月、震災の経験から多くの人々が学び取った「生きる」ことの尊さや「心の復興」の大切さをあらためて確認するため、「再生(Renascence)」というテーマのもとに国際的な公募展を開催します。

この入選作品展では、81か国からの約3,000作家8,000点の応募作品のなかから審査により選出された約100点の絵画作品を紹介し、忘れかけた震災の教訓への関心をあらためて喚起すると同時に、国際的な広がりの中から支援を受けたその復興の成果を、世界へ向けてアピールします。

オーストラリア人アーティスト4人の作品が1次審査を通過し、展示されることになりました。

オーストラリアからの参加アーティスト:
ディーン・ボーエン、蔡國華(ツァイ・ゴーホァ)、ウエイ・グアン、ジミー・ジェッタ・ヤンジディ

 

Move on Asia

2005年1月18日-30日
2004年5月にソウル(韓国)で開催されたアニメーション&シングルチャンネルビデオアートフェスティバル「Move on Asia」が、愛知・大阪を巡回し、現在東京で開催されています。東南アジアを中心とした諸地域のオルタナティブ・スペース関係者のカンファレンス「The 2nd In Between」と併行してあった「Move on Asia」では11の国や地域の45名の作品が上映されています。

整然と設置された45台のモニターには作家ごとに1台があてられ、全体がひとつのインスタレーションともみえる展示となっています。オリジナリティ溢れる手法やテーマの作品は、いずれも異なるテイストの表現であるにもかかわらず、全体を通して同時代性を気付かせてくれる一面もあります。

今後の活動が注目されるさまざまな地域のアーティストの映像を、このようにまとまったかたちで紹介できるのは、カンファレンスと「Move on Asia」の実現によって築かれた人々のネットワークのたまものです。相互の情報共有や意見交換などを含めた絆が、これからより強く、また広がりをもってゆくことでしょう。

オーストラリアからの参加アーティスト:
Dominic Redferm / Ryszard Dabek / Van Sowerwine

 

アボリジニ現代戯曲連続上演第4弾 - レイディアンス

2005年1月28日-2月1日
演劇企画集団 楽天団 プロデュース公演
作 ルイス・ナウラ Written by Louis Nowra
翻訳 佐和田敬司 Translated by Keiji Sawada
演出 和田喜夫 Directed by Yoshio Wada

演劇企画集団 楽天団とは?
演劇企画集団 楽天団は、日本では未紹介の優れた海外の演劇人、特に小数民族の演劇人との共同創作を目指しています。2001年のカナダ演劇祭では、カナダ先住民作家との共同創作、2002年からはオーストラリア・アボリジニ現代戯曲の連続上演などを実施して異文化、異ジャンルとの交流、出会いによる新しい演劇創造をめざしています。

レイディアンスの内容
今回はオーストラリア、アボリジニ現代戯曲連続上演の4作目。作品の舞台はオーストラリア、クイーンズランド州北部です。アボリジニの異父姉妹メイ、クレシー、ノーナの3人は今は別々に暮らしています。

長女のメイは年老いた母親の世話をするために実家に戻ってきています。次女クレシーはオペラ歌手として成功して都会暮らし。3女ノーナは定職につかず、根無し草のような生活。母親の死の知らせを受けて、クレシーとノーナが家に戻ってくるところから舞台は始まります。

3人の姉妹の会話から、3人の子供時代、母親のこと、アボリジニであること、それぞれの夢と現実などが次第に浮かび上がってきますが、やがて家族の深い秘密までもが明らかになって...

作者
作者ルイス・ナウラは、1950年メルボルン生まれ、オーストラリアで最も著名な劇作家の一人。初期の頃の作品は外国に題材をとった物を多数書いていましたが、1980年代に入り、深くオーストラリアの風土に密着した作品を書き始めました。また、演劇のみにとどまらず、小説、オペラのテキストなども手がけています。中でも「K-19」(キャスリン・ビグロウ監督、ハリソン・フォード主演、2001年)に代表される映画の脚本家としては、その名を世 界に知らしめています。

出演
出演は長女メイ役に劇団民藝の戸谷友、次女クレシーには唐組出身の桜井ひとみ、そして三女ノーナに伊地知ナナコという個性的な組み合わせです。

 

バラリンジ・デザイン展

2005年2月4日-月26日
ギンザ・グラフィック・ギャラリー 第225回企画展
バラリンジ・デザイン展 - 古代の文化と現代のデザイン
ジョン・モリアティが主宰するバラリンジは、オーストラリアンデザインを追求してきた、革新的でコンテンポラリーなデザイン会社として知られています。先住民ヤニュワ族の血を引くモリアティは、現代のグラフィックと古代のアボリジニのモチーフと図像体系を融合させたデザイン・シグネチャーにより、オーストラリアについての新しい視覚的世界を創造します。そのインスピレーションは、風景の色、動物や草木のラインとフォルム、そして先住民の伝統文化を色濃く映し出しています。

本展では、大胆なペイントを施したカンタスの航空機の仕事をはじめ、ポスター、アートワーク、国内外の企業のCIなどをとおして、バラリンジ・デザインの20年間の活動をご紹介します。

 

「Outdooring」写真展

2005年2月25日-3月22日
「Outdooring」は6人のオーストラリア人アーティストによるこの写真展では古典的かつ文化的には飽和点に達しているともいえる主題を敢えて手段として利用し彼らの概念「Landscape風景」を描き出しています。「Outdooring」にて提示される「風景」は従来の「風景画」ではなく、自然と文化との複雑な交錯の探求であると言える。この相互作用は「Outdooring」というタイトルに比喩的に表されています。

参加アーティストは皆、ミディアムフォーマット以上のカメラを使って撮影しているため、一回の撮影で取れる枚数や撮影行為、撮影行動そのものの範囲に制限が設けられます。したがって、「観ること」、「思考すること」に費やされる時間が必然的に長くなり、これが概念的かつ実質的な「Outdooring」のコンセプトを形成しています。

6人のアーティストはそれぞれオーストラリアの大学または大学院を卒業しており、現代オーストラリアのコンテンポラリーアートシーンにおいて新進気鋭の作家達として大きな期待が寄せられており、また国際的なエキシビジョンやさまざまなアートアワードで受賞経験があります。 今回の展示会ではオーストラリア、日本、そして中国で撮影されたカラー写真を展示される。これら作品を通じてオーストラリアの新人アーティスト及び現代オーストラリア フォト メディア アート シーンへの造詣を深めて頂く事を切に希望します。

参加アーティスト:

Simon Cuthbert、Kristian Haggblom、Siri Hayes、Paul Knights、Andrew MacLaughlin、Selina Ou

 

大阪アートカレイドスコープ OSAKA05

2005年3月6日
インスタレーション作品を中心に、写真を含む映像作品を制作するオーストラリア出身の若手アーティストTV ムーア。彼はこれまでにも「都市」をテーマとしたものをいくつも制作している。都市生活のなかで、ある集団に適応できるかどうか、人々にジレンマを与えるさまざまな要因、人々がかかえる心の葛藤など、重いテーマを、現実と非現実を織り交ぜながら、持ち前のセンスの光る映像作品としてきた。

今回は、大阪府立現代美術センター主催「大阪アートカレイドスコープ OSAKA05」展に出品するために、初来日し、新作を含む3点の映像インスタレーションと写真作品を第2会場である海岸通ギャラリー・CASOにて展示。来日中の東京滞在に合わせて今回のアーティストトークが実現。映像作品をみながら作品について本人に語っていただきます。

TV Moore氏略歴
1974年キャンベラ生まれ。1999年シドニー大学芸術学部卒業。2003-04年は母校シドニー大学で教鞭もとる。Anne & Gordon Samstag 国際芸術奨学金を受け、2004年よりMaster of Fine Arts, CalArts(ロサンゼルス)に在籍。近年は、04年Roslyn Oxley9 Gallery(シドニー)、Artspace(シドニー)、Gertrude Contemporary Art Spaces(メルボルン)、03年オーストラリア国立美術館(キャンベラ)にて個展、「Minus 10 Minus 2」Iaspis(ストックホルム)「I thought I knew but I was wrong: New video art from Australia」(ソウルほか)のグループ展に出品するなど、若手ながら国内外で広く活躍の場を得ている。

 

「世界のグッドデザイン」展 - JIDPO海外デザインコレクション

2005年3月14日-17日
日本産業デザイン振興会(JIDPO)では、海外のデザイン振興機関、デザイナー団体の協力を得て、1984年以来、これまでに23の国と地域から優れたデザインの製品をコレクションしています。

この度、これらコレクションの中から約400点を紹介する「世界のグッドデザイン」展を開催いたします。各国とも歴史や伝統、文化の違いはあるものの、自然との共生や生活を豊かにするための道具に深い愛着を持っており、そこでデザインされた製品には目を見張るものがあります。

2000年には「Australian Design Awards」と称された、オーストラリアの日用品や福祉・医療機器などの優良デザインが紹介され、今回のコレクションでも展示されます。

 

レイ・ハント展

2005年4月4日-10日
オーストラリア・アデレードを拠点に世界で活躍する、とことんポジティブでポップな画風が持ち味の画家、レイ・ハントの日本初の個展が今年も東京銀座の「すどう美術館」で開催されます。

1950年代後半からはじまったポップ・アートのムーヴメントが、めぐりめぐって今ふたたび見直されてきています。90年代からはじまったそんな“ネオポップ”の動きの中でも、レイ・ハントが提唱する“Upbeat”ネオポップは、その名のとおり陽気(Upbeat)でポジティブな雰囲気が最大の特徴です。近年顕著になってきた社会問題、国際問題を背景とした作品が多く製作されているネオポップの中にあって、レイ・ハントの作品は「そんな中にも豊かな世界はいっぱいあるじゃないか」と常に問いかけ、生きる喜びを見るものに感じさせてくれます。

 

第5回CINE VIS CINEMA

2005年4月8日-10日
今年で第5回を迎えるCINE VIS CINEMAが今年も東京国際フォーラムで開催されます。今回もオーストラリアから2本素晴らしい作品が上映されます。1本は昨年10月に上映した「Birthday Boy」で第77回アカデミー賞にもノミネートされました。もう1本は「Tackle」というタイトルの短編映画で、世界の映画祭で高く評価された秀作です。

作品紹介
"Birthday Boy":4月9日 18:30上映予定(B programme)
『バースデーボーイ』は韓国戦争で孤児になった子どもの悲しさを描いた10分の3Dアニメで、戦争の痛みを経験した当時の韓国人の姿をリアルに描いたと評価されています。作品はすでに昨年、アヌシー国際アニメーション映画祭で新人賞、シドニーフィルムフェスティバルで大賞を受賞するなど、国内外で行われたアニメフェスティバルで数多くの賞を総なめにしています。また、米国のコンピューターアニメのカンファレンス「SIGGRAPH」からベストアニメに選ばれ、富川(プチョン)国際学生アニメフェスティバルでも大賞を受賞しました。

"Tackle":4月10日 18:30上映予定(E programme)
およそ9分間のこの短編映画「Tackle」は、オーストラリア国立映画・テレビ・ラジオ学校出身のべス・アームストロングによる、父親と思春期のティーンエジャーの息子との親子関係を絶妙に描いた作品です。

 

ディーン・ボーエン展

2005年4月9日-5月1日
日常生活の何気ない光景や経験を、独特のユーモアと無限の想像力によって、素朴で力強い壮大な夢の絵画に展開する異才画家ディーン・ボーエンの日本デビュー10周年記念来日展。

その作品には、洗練された人工都市と荒野の地平アウトバックとの狭間に暮らすオーストラリアの典型的な郊外生活者や農夫の姿が愉快な表情で描かれています。

本展のテーマ"Journey"は、そのような日常の中にあって人々が日々経験する「旅」の瞑想的感覚を主題にしている。人間はもちろん、自動車や鳥は旅人の肉体的象徴であり、道や家はその精神的象徴としての道程や目標として描かれています。

オーストラリアから国際的作家として飛躍し、高く評価されているボーエンの功績は、世界中の都市に住む人々に共通する体験を、オーストラリア人固有のアイデンティティーと結び付けて描くことに成功した稀な才能にあるといえるでしょう。

 

クイーンズランド・ウィーク at 愛知万博2005

2005年4月11日-17日
"スマート・ステート" クイーンズランド州の魅力をお伝えする一週間
クイーンズランド州は大陸北東部に位置する、オーストラリアで2番目に大きな州。グレート バリア リーフなどに代表される豊かな自然と共に、近年は知性・独創性・技術革新を柱とする「スマート・ステート」戦略の結果、バイオテクノロジー、情報技術分野などでの大きな経済発展を成し遂げてきました。

6ヶ月の万博開催期間を通して、オーストラリア館ではクイーンズランド州のプロモーションが常時行われています。特にその頂点とも言えるのが、4月11日から17日に開催される、このクイーンズランド・ウィークです。期間中、クイーンズランドの一流アーティストによる数々パフォーマンスが行われる他、州を代表するクリエイティブな産業・教育・食品などの紹介・展示も行われています。

参加アーティスト:

アラン・グローブズ、ミスインタープロテート、シーマン・ダン、ストリングマン・サッシー
 

映像展示+デュオダンス公演 "public=un+public"

2005年4月13日-5月29日
Off Nibroll + Jo Lloyd & Shio Otani
Off Nibrollは、気鋭のダンスカンパニー「ニブロール」の振付・矢内原美邦と映像・高橋啓祐が立ち上げた新ユニット。第一弾となる "public=un+public" は、オーストラリアから来日する2名のアーティストとともに、スタジオでの創作から公開稽古、展示&公演まで1ヶ月半にわたりジャンルや国境を越えたコラボレーションを展開します。スペースの違いから生まれる身体的な差異を、映像と身体というメディアを通して考えていこうという試みです。 本作品は、BankART 1929での初演後、メルボルン、ニューヨークのギャラリーを巡回する予定です。

 

ジェームス・モリソン&ウーロンゴン音楽大学ジャズオーケストラ日本公演

2005年4月14日-17日
世界的なトランペッターで、あらゆる楽器をも使いこなすジェームス・モリソン氏とNSW州で最大の私立音楽学校であるウーロンゴン音楽院のジャズオーケストラが共に来日し、各地で公演を行ないます。

参加予定アーティスト:James Morrison (Trumpet)、Wollongong Conservatorium Jazz Orchestra、Nina Morrison (Vocal)、Blue Herd "N " Group、Big Wing Jazz Orchestra、Allusoba Winds Kawasaki、Toshiba Ride On Jazz Orchestra、Senzoku Gakuen University Senzoku Get Jazz Orchestra

 

ロードムービー「ボンダイ・ツナミ」試写会

2005年4月15日-29日
オーストラリアを舞台に撮影された 日豪合作ロードムービー
映画「ボンダイ・ツナミ」は、日本を抜け出し、輝く太陽を求めてオーストラリアへ渡った日本人学生たちの存在に触発されて制作された日豪合作映画。この映画の試写会が東京・渋谷で開催されます。

シドニーで英語教師をしていたアンソニー・ルーカス・スミスが、彼の生徒たちと関係を深めていく中からこの映画の企画はスタートしました。完成後はオーストラリア各地の映画祭はもとより、ロンドン・オーストラリアン映画祭や、現在開催中の愛知万博でもオーストラリア・パビリオンにて上映され、大きな反響を呼んでいます。

ストーリー
奔放な日本人サーファーの仲間を持つ若い日本人サーファー「シャーク」は、映画の舞台となるシドニー市内のボンダイでシェフとして働いていた。そんな彼のところに悪友・ユートが東京からやって来る。そこから二人のポンコツ・ビンテージカーでの旅が始まった。

東海岸からサーファーズ・パラダイスまで、オーストラリアの素晴らしいスポットでサーフィンをしてはキャンプ場に泊まる日々。シャークはクールで冷静沈着、チェーンスモーカーでしっかり者。ユートは落ち着きがなくエネルギー全開。後にシャークの元彼女キミコがガソリンスタンドで彼等に合流する。ユートはセクシーな彼女に惹かれ、キミコはそんなユ−トを利用しシャークにやきもちをやかせようとする。この3人の冒険者たちはニュー・サウス・ウェールズ州の雄大なノース・コーストをさまよいながら、オーストラリア流のビーチ生活に次第にのみ込まれていってしまう。しかしそんなジャンクな生活の中に突然ガンジャマンが現れる。ドレッドヘアにヒッピーのような風貌の彼には“大地”と“波”とコンタクト出来る不思議な力があった。

ハイウェーを走りながらガンジャマンはこの3人にスピリチュアルな体験をさせる。3人は「ビッグ・メリノ」や「ビッグ・パイナップル」などオーストラリアの巨大な観光スポットを旅しながら、幻を見ているのだと感じる。そして灼熱の地で道に迷ったときに「天国」と「地獄」を体験することになる。この不可思議な旅の途中、シャークは砂漠で「空」(くう)を体験し、暑さと幻覚の中、古代から果てしなく続く砂漠では「無」を体験する。ゴールドコーストに到るまでしらふだったシャークは、遂に完全な悟りを覚えるのであった。そして彼らの摩訶不思議な旅は続く…。

 

オーストラリア・ナショナル・デー at 愛知万博2005

2005年4月21日
万博でオーストラリアを体験するなら、ぜひ4月21日にご来場下さい!
愛知万博の参加国にはそれぞれナショナル・デーが定められています。オーストラリアのナショナル・デーは4月21日。この日、オーストラリア・パビリオンを中心として、万博会場各地を舞台に様々なイベントが開催されます。アート&エンターテイメント分野でも、オーストラリアを代表する大物アーティストが多数来日。総合演出は、第27回コモンウェルス・ゲームの閉会式を演出したナイジェル・ジェイミソンが務めます。ぜひこの機会に万博でオーストラリアの今を発見して下さい。

Bangarra Dance Theatre公演「Bush」
Bangarra Dance Theatreは、オーストラリア先住民の4万年前から続く伝統文化と、国際的なコンテンポラリー・ダンスの流れを調和させた、オーストラリアならではのダンスカンパニー。1991年より演出家Stephen Pageの下活動を始め、ストラビンスキーの「春の祭典」に基づく「Rites」が1997年に大きな反響を呼んだのをはじめ、昨年はアメリカ・ツアーも成功させました。「Bush」はアーネムランドの先住民の「ドリーミング」の物語にそのインスピレーションの源があります。

ランチタイム・スイング
James MorrisonとWollongong Jazz Orchestra + Strange Fruit

現在日本各地でツアーを行っているJames Morrison & Wollongong Conservatorium Jazz Orchestraが、ランチタイム・スイング公演! 各地でチケット売り切れ続出の人気バンドの生演奏が、万博でご覧いただけます。また、4メートル上空で繰り広げられる幻想的な野外パフォーマンスで有名なStrange Fruitも出演。愛・地球博の中心である「愛・地球広場」を舞台に、オーストラリアを代表する一流アーティストたちがみなさんを魅了します。

Strange Fruit公演「The Field」(2003年10月・東京)
Rivers of Light

ナショナルデーのフィナーレを飾るイベントとして、オーストラリア・パビリオンの友好都市である安城市と大府市の約200人の子供達が参加する「リバー・オブ・ライト」を実施します。「リバー・オブ・ライト」は、ランタン(提灯)を用いた壮大なパフォーマンス。オーストラリアと名古屋の子供たち約250人が、オーストラリアの人形遣いPeter Wilson(ビクトリアン・カレッジ・オブ・アートの人形芝居学部長)の指導の下、オーストラリアの環境や様々な生き物をモチーフに「ランタン」をデザイン・作製します。ナショナルデー当日、子供達はオーストラリアのパフォーマー達と一緒に、完成したランタンを持って会場内をパレードします。パレードは著名なオーストラリアの民族音楽作曲家デビッド・ペイジ が作曲した雰囲気豊かな音楽の演奏の中で行われ、250以上の光でオーストラリアの風景を表現します。

主なオーストラリアの出演者:Sydney Children's Choir、Matthew Doyle(ディジリドゥー)、Riley Lee(尺八)、Sandy Evans(サクソフォン)、Graham Hilgendorf(パーカッション)、Strange Fruit

 

アーキタイプス・マルチプル展

2005年4月22日-6月30日
アーキタイプス・マルチプル展は2004年2月からカナダのバンクーバーで始まり、2004年4−5月にオーストラリア、シドニーのNSW大学付属ギャラリー(IVAN GOUGHERY GALLERY)で開催され、今年4月に東京に巡回するアーキタイプス展の特別展として開催されます。東京展開催にあたりオーストラリアのアーティスト、サリー・スマートとオーストラリア企画キュレーターのフェリシティー・フェナーが来日し、アーティスト、キュレーターを囲んでNADiff会場にて4月23日にアーティストトークと、その後レセプションパーティーを開催します。

参加アーティスト:
サリー・スマート(メルボルン在住)、カラム・モートン(ロサンジェルス在住)、東恩納裕一、谷山恭子、レネ・ヴァン・ハルム、エリスペス・プラット


オーストラリアのアーティスト紹介
サリー・スマート
メルボルン在住のサリー・スマートは、布を用いた大きなスケールのコラージュ作品で近代建築と女性の問題を検証し、オーストラリア、ヨーロッパ、アジアで活動するアーティストです

カラム・モートン
シドニー出身ののカラム・モートンはミース・ファン・デル・ローエなどの有名な近代建築にコンビニエンス・ストアのイメージを重ね合わせたシニカルなCG作品を制作しています.サリー・スマートは西欧の住宅によく見られる螺旋階段などの断片的なイメージと家の設計平面図を組み合わせたコラージュを壁一面に展開しますが、それらは映画の予兆シーンを思わせるような薄気味悪さを伴います。建築の中に潜むジェンダーの問題などが示唆された作品です。

 

ラインズ オブ サイト

2005年4月29日-5月29日
三人のオーストラリア人によるビデオプロジェクト
ビデオ3作品が西荻まちメディアフェスティバル、アリババートの一環としてJR西荻窪駅で展示されます。三人のオーストラリア人が西荻窪のアートコミュニティーとの繋がりで集いあらゆる世代の地域住民との交流を求めて、彼らのビデオ作品は地域の公共の場である駅にて上映されます。

共通の主題である"Lines of Sight"は、上映されるビデオ映像の中に象徴されるの様々な視点の相違を反映して選ばれました。キース・アームストロングの映像はオーストラリアの植民時代に関連する話題に触れています。サム・スミスは、映像を構築する機材に注目し、リンダ・デニスは西荻窪のサードダンススクールの社交ダンスの踊り手にその視点を向けています。

アーティストと作品名:キース・アームストロング『地勢』、リンダ・デニス『クローズド・ポジション』、サム・スミス『人工物』

 

相原正明写真展「マザーアース」

2005年5月13日-26日
タスマニア州政府観光大臣が写真家相原正明氏を『フレンド・オブ・タスマニア』に任命

2005年5月19日
タスマニア州は、日本の一流写真家である相原正明氏の素晴らしい作品を通し、広範囲にわたりタスマニアのプロモーションが行われたことを評して、相原氏を『フレンド・オブ・タスマニア』として公式に任命しました。タスマニア州政府観光大臣ポーラ・リートは、相原氏について下記のように述べています。

「相原氏のタスマニアの自然に対する情熱は多大なものです。これまで長年にわたり、タスマニア州を題材とした多くの作品展、出版物などを通じ、プロモーションのサポートをしてくださっています。」

相原氏は、特にここ過去6年間タスマニアへ何度も足を運び、自然を撮り続け、写真集の出版や、日本国内の主要なギャラリーにて展示会を行ってきました。相原氏は、風景写真家として日本国内でトップに位置し、高い評価を得ています。(オーストラリア政府観光局広報センター)

「マザーアース」展示内容
オーストラリアの風景写真 約50点 - サイズ大全紙ならびに全倍

撮影場所は主にキンバリー、ピルバラ(WA)、カカドゥ(NT)、シンプソンデザート(SA)、グレートオーシャンロード(VIC)、クレドールマウンテン(TAS)

期間中は会場にて相原正明氏のギャラリートークも予定

 

世界キルトカーニバル名古屋2005

2005年5月20日-22日
世界のキルト作品が年に一度名古屋に集まる「キルトの祭典」
世界中に広がる多様なキルト文化が集結する「世界キルトカーニバル」が今年は名古屋ドームに会場を移して開催されます。これまでにない規模となる広い会場には、見るものを圧倒する巨大なパッチワークキルト(縦70m×横50m)を始め、名古屋城本丸御殿障壁画「竹林豹虎図」をキルトで再現した作品や、世界の21の国・地域から名作が集められた「世界のキルト協会作品展」、日本を代表するキルト作家の秀作120点余を集めた「日本の作家作品展」、「世界キルトマーケット」、コンテスト、ワークショップなど様々な企画が目白押しです。オーストラリアからは、シドニーで活動するグループ「The Quilters' Guild of NSW Inc.」が参加します。

 

「WE WILL ROCK YOU」日本公演

2005年5月27日-8月24日
世界をQUEENブームに巻き込んだミュージカル、オーストラリア版で日本上陸!
2002年5月、ロンドンのウェストエンドでオープンしたミュージカル「WE WILL ROCK YOU」。80年代に世界を席巻した伝説のロックバンドQUEENの数々のヒット曲をベースに構成されたその舞台は、ミュージカルの既成概念を打ち壊しながら、世界中に再びQUEENブームを巻き起こしています。今回日本にやってくるのはそのオーストラリア版。キャストから技術スタッフに至るまでオーストラリアからそっくりそのまま東京に大移動! 本家イギリスの舞台とはまたひと味違った魅力を持つオーストラリア版を、ぜひこの機会にお楽しみください。

キャスト:

Peter Murphy (Galileo)、Pippa Grandison (Scaramouch)、Annie Crummer (Killer Queen)、Ross Girven (Khashoggi)、
Robert Grubb (Pop)、Daniel Fletcher (Brit)、Rebecca Jackson-Mendoza (Oz)

 

ボーイ・フロム・オズ

2005年6月10日-27日
オーストラリアの国民的スター、ピーター・アレンの衝撃の人生を描いたミュージカル
オーストラリアの片田舎に抜群の音楽センスを持って生まれたシンガーソングライター、ピーター・アレンの波瀾万丈な人生を描いたミュージカル。ブロードウェイでの公演では主演にヒュー・ジャックマンを起用し、歌って踊る派手なステージで2004年トニー賞・最優秀主演男優賞を受賞。再演を望む声が世界中から絶えないこの作品が、この度、日本語版として東京で上演されます。主人公ピーター役にはV6の坂本昌行、ライザ・ミネリ役には元月組トップスターの紫吹淳、ジュディー・ガーランド役には鳳蘭と、ブロードウェイ版に引けを取らない豪華な出演陣。劇中ふんだんに盛り込まれた、キャストと観客とのやり取りなども多いに盛り上がること間違いなしです。

1992年にピーター・アレンがエイズで亡くなった後も、彼の音楽に心を寄せる人々は絶えず、特に彼の故郷オーストラリアでは彼の生涯を描いたドキュメンタリーの放映や伝記の出版など、国民的スターとして再評価する声が高まりました。そんな中、このミュージカル「ボーイ・フロム・オズ」は1998年に、シドニーのハー・マジェスティー劇場にて、キャスト、スタッフ全てオーストラリア人による作品として上演が始まりました。若くしてオーストラリアを離れながら常に故郷を忘れず、しかし決して戻ることのなかった彼の人生に、多くのオーストラリアの観客は共感を覚え、作品は大ヒット。それが、生前のピーター・アレンの念願でもあったブロードウェイでの成功へと結果的に実を結んだのです。「ボーイ・フロム・オズ」は、そんな彼のサクセス・ストーリーでありながら、人生の光と陰、オーストラリアの人々の複雑な思いを乗せた画期的な作品です。

ストーリー
オーストラリアの小さな田舎町を少年の頃飛び出したピーターは、1964年に香港のヒルトン・ホテルのラウンジショーの最中に大女優で歌手のジュディー・ガーランドの目にとまり、彼女のショーの前座に大抜擢。その後、ジュディーの娘、ライザ・ミネリと恋に落ちるピーターだったが…。その後の栄光と転落。ショウビズ界を駆け抜けたピーター・アレンの衝撃の人生が、彼の名作の数々に乗せて感動的に描かれます。

 

オーストラリア絵本展-南半球からのメッセージ

2005年6月11日-26日

見ているとワクワクしてくるオーストラリアの絵本たち

「レッド・ツリー(The Red Tree)」(早見優訳/今人舎)「ポスおばあちゃんのまほう(Possum Magic)」(加島葵訳/朔北社)など、近年日本でも数多く出版され、子どもたちに大人気のオーストラリアの絵本。生き生きとした描写で大人も子どもも楽しめるオーストラリアの絵本を集めた展覧会が東京・こどもの城で開催されます。各国の賞を受賞した代表的な作品を中心に約300冊の絵本の他、イラスト、ポスターも約80点展示されます。会場にはプチ絵本を作って遊ぶコーナーも設置。見て、読んで、感じて、つくる。新たな絵本との出会いがきっとあるはずです。

会期中には、現在オーストラリアで活躍中の絵本作家アリソン・レスターとロン・ブルックスによる子どもたちとのワークショップも開催!絵本づくりの楽しさを作家とともに共有することで、また一段と絵本を読むのが楽しくなるはずです。

ワークショップ at 愛知万博オーストラリア館
アリソン・レスターとロス・ブルックスの二人が6月15日と16日の両日愛知万博オーストラリア館にてワークショップを行います。二人の作品を囲んで子供向けのイベントが展開されます。ワークショップでは本作りも体験できます。

 

ナゴヤプレイヤーズ公演「What the Butler Saw」

2005年6月18日-19日
名古屋の地で活動を続けてきた日本人と外国人との混成劇団「ナゴヤプレイヤーズ」がこのほどその活動の30周年を記念して「What the Butler Saw(執事は見た)」を上演します。

英国の劇作家・ジョー・オートンのこの素晴らしく面白い風刺劇が初めて上演されたのは、作者の不慮の死の2年後の1969年のことでした。その性別をとり変える道化芝居と、見かけは上品にとりつくろっている高い地位にある人々の実生活の下品さの辛辣な描写は、当時の演劇ファンに衝撃を与えました。登場人物の会話はオスカー・ワイルド的な才気あふれるジョークに満ち、物語は思わぬ災難・運命の急変・予期せぬ愉快な出来事・多くの状況の転換などがいっぱいつまっています。

今回の公演では、2名のオーストラリア出身の役者が出演します。女優で作家でもあるケリー・フォレスターは、ケアンズの出身。日本に来て4年目となる彼女はいくつかのテレビコマーシャルの出演している他、彼女の執筆した作品「Changing Channels」や「Skits」などがオーストラリアで上演されています。パース出身のジャック・アナンダは来日前にはオーストラリアでプロの部隊俳優として活躍していました。Tropic Line、Lindstock、Queensland Arts Councilなどに所属していました。

 

デイビッド・ブロムリー絵画展

2005年6月21日-7月2日
キラキラと輝く、いとおしい日に帰ろう
誰もが持っている宝箱のような思い出。毎日が、キラキラと輝いていた発見と冒険の日々。ロンドン、ニューヨークでも大人気のオーストラリアの現代画家、デイビッド・ブロムリーが描く、子供時代のスィートメモリー。本展では、アクリル画の他、手摺り版画、刺繍画 など新作を含め約40点を展示いたします。ブロムリーと一緒に、なつかしい心のアルバムを開いてみませんか?

 

ビクトリア・ウィーク at 愛知万博2005

2005年6月26日-7月2日
6月26日〜7月2日、愛知万博の長久手愛知県館は、芸術都市メルボルンをかかえるビクトリア州をフィーチャー。これは愛知県とビクトリア州の姉妹都市提携25周年を記念して行われる文化交流イベント。メルボルン交響楽団からはパーカッション・アンサンブルが来日する他、キャロライン・アルモンテ(ピアノ)と角田美樹(ヴァイオリン)のコンビで世界中で高い評価を得ているデュオ・ソルのコンサート、フライング・フルーツフライ・サーカス、タペストリーや版画の展示など、数々のイベントが目白押しです。

ビクトリア州の持つ自然・文化の多様性をバックグラウンドに常に新しいアートを開拓し続けるアーティストたち。彼らの存在は、ビクトリア州のエネルギーの源となっている多文化社会の代表的存在と言えるでしょう。期間中は、その他にもユニークな動物たちの紹介や、クイズショー、英語教室など様々な参加型イベントが行われ、ビクトリア州の素晴らしさを様々な角度から体験していただけます。

参加アーティスト:メルボルン交響楽団(MSO) パーカッション・アンサンブル、デュオ ソル、フライング・フルーツフライ・サーカス、ラッセル・スミス、オーストラリア少年合唱団、フランクストン高校シニアステージバンド、ビクトリアン・タペストリーワークショップ

 

「タスマニア・ウィーク」

2005年6月28日-7月6日
タスマニアから7弦ギタリストCary Lewincamp初来日!
6月28日〜7月6日「KKRホテル東京」にて開催されるタスマニア・ウィークに、心に響く七色のギターの調べで有名なギタリストCary Lewincampが来日、コンサートを開催します。また期間中、世界一水と空気が澄んでいる島・タスマニアの自然で安全な食材を使って、12階のレストラン「芙蓉」でタスマニア特別メニューがお楽しみいただけます。

6月28日、30日、7月5日の3日間はレストランでのミニコンサート、そして最終日7月6日には特別コンサートが開催されます。特別コンサートの会場では、タスマニアのアウトバックを撮り続け、タスマニア州政府より「Friend of Tasmania」に任命された写真家・相原正明氏の写真展も同時開催。相原氏とCaryとのトークショー「タスマニアの魅力を語る」も予定されています。タスマニアならではの美味しいワインや料理をお楽しみいただきながら、ひと夏の夕べ、心地よい音楽とタスマニアの魅力に存分に浸ってください。
 

ショートショート・フィルムフェスティバル2005

2005年6月29日-26日
回を重ねるごとに規模を拡大してきた日本初の短編映画祭「ショートショート・フィルムフェスティバル」も今年で7回目を数えます。オーストラリアからは今年も二人の若い才能がエントリーしています。昨年から米アカデミー協会よりアカデミー賞認定映画祭と公認され、また今年は「Short Shorts Film Festival Asia」との同時開催が決定。世界中から寄せられた2050本の応募作品の中から厳選された90本が上映されます。また、web上での視聴も可能ですので、ぜひ公式サイトを訪れてみてください。

東京での上映が終わるとすぐに、国内ツアーが始まり、札幌、大阪、名古屋をはじめ日本各地を7月〜8月にかけ周ります。短編映画は、映像表現の最先端を走る現代アートと言えるでしょう。特に個人での映像編集が本当に簡単になった現在、世界の若い才能がまず手を染めるのがこの分野。ぜひこの機会に明日の巨匠監督をあなたの目で発見してください。

『アニメの告白 (Confessions of an Animation)』
Steve Baker | 3:52 | Animation | Australia | 2004

『新たな歓び (SCOFF)』
Renee Webster | 11:48 | Comedy | Australia | 2003

 

西オーストラリア州 at 愛知万博2005

2005年7月6日-8日
7月6日-8日の3日間、愛知万博のオーストラリア・パビリオンでは西オーストラリア州をフィーチャー。オーストラリア大陸の約3分の1を占めるこの州の面積は、なんと日本の6.7倍。北は数十年前まで人に知られていなかった「オーストラリア最後の秘境」キンバリー、西には世界遺産にも登録されるほど貴重な天然資源が保存され、世界中のダイバーを魅了するウェストコースト、南部には近代的な街並みが美しい州都パースがあります。気候も北部の熱帯性気候から、中部の温帯・砂漠性、そして南部の地中海性気候まで幅広く、まさにオーストラリアのイメージをそのまま体現している州と言ってもよいでしょう。期間中はそんな開放的な雰囲気いっぱいの西オーストラリア州からやってくるアーティストの公演や作品の展示などが行われます。このページでは、その中でも一般に公開されているイベントのいくつかをご紹介します。

参加アーティスト、コンテンツ:Jamie Oehlers カルテット、西オーストラリア州・知育絵本コーナー、The Australian Resident Company (ARC)

 

パシフィック・ミュージック・フェスティバル 2005

2005年7月9日-8月4日
故レナード・バーンスタインの提唱で始まった国籍や言葉の壁を超えた交流とハーモニー
世界の若手音楽家の育成を目的に毎年札幌を主会場に開かれる音楽祭「パシフィック・ミュージック・フェスティバル」。このフェスティバルの中心は、世界各地から若い才能を集め、世界を代表する音楽家により育成する教育プログラム「PMFアカデミー」。そのオーケストラコースに、今年はオーストラリアの若手クラリネット奏者デヴィッド・ローデンが参加します。約4週間にわたり札幌芸術の森をベースに行われる教育カリキュラムの他、札幌をはじめとする北海道各地や東京、大阪、名古屋の会場でのPMFオーケストラ演奏会への出演が予定されています。

 

「ワラタ」愛知万博公演

2005年7月18日
オーストラリアを代表するフュージョン・バンド「ワラタ」が愛知万博で来日公演を行います。「ワラタ」はジャズ、ワールドミュージック、現代音楽をオーストラリアらしい新たな視点で掛合わせたフュージョン・トリオ。特に日本を代表する楽器「琴」の音色を、伝統的な側面に配慮をしながらも自由自在にアレンジし、独自のテイストを作り上げています。2000年のシドニー・パラリンピックの開会式の為に結成された「ワラタ」は、その後人気を高めながら世界各国の様々な音楽フェスティバルに出演しています。

今回の来日公演では、「ワラタ」の琴の使い方が日本の観客にどう受け止められるのかが、大変注目されています。また、「ワラタ」のプロデュースで、東南アジアやオセアニア地域から数多くのアーティストが来日し、出演する予定。何が起きるのか、どんな舞台になるのか、当日になるまで予測不可能。そんなライブアートの楽しさ満載の公演です。

参加アーティスト:Sandy Evans、Satsuki Odamura(小田村さつき、Tony Lewis

 

キリンカップバスケットボール2005&ジュニアクリニック

2005年7月21日-24日
オーストラリア代表 vs. 日本代表
2006年に日本で行われる「FIBAバスケットボール世界選手権」へ向けての重要な強化試合と位置づけられ開催される「キリンカップバスケットボール2005」。7回目を迎える今年は、FIBA世界ランク8位の強豪・男子オーストラリア代表チームが来日し、日本代表と熊本・長崎・東京の競技場にて3試合を行います。また、各会場で行われる「キリンジュニアクリニック」では、主に中学生を対象として日本代表選手やコーチ、元日本代表選手などによる指導が行われます。

 

レオニー・コーエン・ジャズトリオ来日公演

2005年8月15日
ジャズピアニスト、レオニー・コーエンが初の東京公演を行います。彼女は、シドニー・オペラハウスや、メルボルン国際ジャズ・フェスティバルなど、オーストラリアのジャズ界の第一線で活躍するピアニスト。シンガポールや上海、香港など海外でも精力的な活動を続けています。1999年に自身のバンド「Leonie Cohen Plus」を立ち上げライブ活動を行ってきましたが、デビューアルバム「Jerusalem」をつい最近本国オーストラリアでリリース。数々のユダヤ系音楽が見事なまでに都会的なジャズに編曲され、彼女の美しいピアノの旋律と、のびやかなサックス、ベースのセッションがオーストラリア国内のみならず世界のジャズ界で大きな話題を呼んでいます。

今回のコンサートでは、現在「We Will Rock You」日本公演で活躍中のHugh Fraser(ダブルベース)とSwannee(ドラムス)を迎え、スタンダードジャズをはじめ、オリジナル曲、そして彼女独自のアレンジ曲をはじめて日本のみなさんに披露します。

 

ルーク・ジョージ at 日豪インターナショナル・コラボレーション「ボクロール」

2005年8月25日-28日
オーストラリアのコンテンポラリー・ダンサーLuke Georgeが来日し、若手気鋭のダンスカンパニー「ニブロール」の振付・矢内原美邦と、「ボクデス」名義で活発な活動を続ける俳優・小浜正寛が送るコラボレーション企画「ボクロール」にゲスト参加します。日豪のコンテンポラリーダンス界の最前線で活躍する若い才能が東京でぶつかり合う今回のコラボレーションでは、映像素材などを取り込んだこれまでにない作品が期待されています。

Luke Georgeはオーストラリアを代表するコンテンポラリー・ダンス・グループBalletlabやChunky Moveなどに90年代から出演。Chunky Moveのツアーや、伊藤キムの東京公演への参加などの為に、これまでにも何度か来日しています。現在は、タスマニアをベースにサイト・スペシフィックな作品づくりを目指すカンパニー「Stompin」の振付家として活発な活動を行っています。

 

FISA世界ボート選手権大会2005

2005年8月28日-9月4日
毎年、世界各国から1000人以上もの「オリンピック級」ボート選手が集まって開かれる世界ボート選手権。欧州で開かれることの多かったこの選手権の初めてのアジア地区での開催地として、岐阜県の長良川国際レガッタコースが選ばれました。オーストラリアからも約60名の選手とそのスタッフが8月23日より現地入り。2008年の北京オリンピックに向けての肩ならしの意味も込められている今回の選手権には、世界約65カ国から1200人もの選手が集まり、オリンピックの2倍もの規模で開催されます。

古くから水害に苦しんで来た長良川河口の「輪中」周辺で開かれる今回の選手権。自然との共生をテーマに近くで開かれている愛知万博と共に、ゆったりと流れる大きな川を前にして繰り広げられる世界レベルの競技をぜひお楽しみください。

 

国際野外の表現展2005比企

2005年9月1日-21日
秩父の山並みを背景に首都圏へせり出す比企丘陵の自然を舞台に、周辺住民との交流の中から生まれた現代アート作品が展示される「国際野外の表現展2005比企」。オーストラリアからはヴァージニア・ジョーンズと、ジェシカ・ディクソンが参加します。

ヴァージニア・ジョーンズは、クイーンズランド工芸大学・修士課程を卒業後、オーストラリア本国、ニュージーランド、北米のグループ展などで活躍するインスタレーション・アーティスト。今年で3回目となるこの国際展にはプレ展の頃から毎年参加している中心メンバーです。ジェシカ・ディクソンは、昨年の学生の部での参加作品が認められ招待アーティストとなった気鋭の若手。今回はこの二人が協力して、一つの大きなインスタレーション作品を制作します。

国内外の35名の現代アーティストによる「人間と自然が共存する里山から環境について考える」をテーマとした作品は、丘陵の自然の中に点在します。周辺の自然や住民との交流の中から制作された、この場所でしか見れない生まれたての作品の数々。周辺の自然と共に、ぜひハイキング感覚でお楽しみください。なお、東松山の亜露麻ギャラリーと銀座ギャラリー・アーチストスペースでもコンセプト小品展が同時に開催されます。

 

日豪アート交流プログラム「Twofold展」

2005年9月5日-9月17日
日豪のアートギャラリーが、交互にアーティストを紹介し合う交流プログラム「Twofold」。9月5日からの約2週間は、クイーンズランド州でも最も実力ある2名のビデオアート作家が名古屋で個展を開きます。

アートワーカーズ・アライアンス(クイーンズランド)とウェストベス・ギャラリー・コヅカ(名古屋)の協力ではじまったこの企画は、来年オーストラリアにて日本人アーティストによる展覧会を開催予定です。

参加アーティスト:Jemima Wyman、Mathew Fletcher

 

スラヴァ・グリゴリアン愛知万博公演

2005年9月5日-6日
オーストラリアをはじめ世界で活躍し「天才ギタリスト」の名を欲しいままにするギター奏者スラヴァ・グリゴリアンが、愛知万博で来日公演を行います。日本でもギター・デュオ「ゴンチチ」の人気に代表されるように、アコースティック・ギターの音楽は幅広いファン層を獲得しています。スラヴァ・グリゴリアンの音楽も、誰が聞いても心地よく、しかもその粒だった音から彼自身のグルーブとエネルギーを感じる事のできる、大きな魅力を持っています。日本でも、Sony Musicレーベルでソロ・アルバムが発売されている他、数多くのヒーリング系コンピレーション・アルバムにその音楽が収録されています。

1976年にカザフスタンで生まれた彼は、1981年に家族とともにオーストラリアに移住、メルボルンで育ちました。プロのヴァイオリン奏者であった父親の手ほどきで、7歳の時からギターを習い始めます。90年代にデビューして以来、ブライトン・インターナショナル・フェスティバル、ハロゲート国際芸術祭、ドレスデン音楽祭、英国ニューベリー音楽祭、英国ギターフェスティバル、ダーウィン国際ギターフェスティバル、GFA (米ギター協会)ギターフェスティバル(カリフォルニア州ラホーヤ)、ウィラル国際ギターフェスティバル、アル・ブスタン国際フェスティバル(ベイルート)、ニュージーランド芸術祭、シドニー・フェスティバル等、数多くの国内・国際音楽祭で活躍してきました。

 

Daryl Buckley at 東京ワンダーサイト

2005年9月11日-15日
Daryl Buckley来日特別アーティスト・トーク
On Site Labo lecture series:ELISION オーストラリアの現代音楽シーン
オーストラリア政府の芸術助成・諮問機関であるオーストラリア・カウンシル・フォー・ジ・アーツによる「オーストラリア・プレゼンテーション at 東京芸術見本市2005 Australia Presents at Tokyo Performing Arts Market 2005」のために、オーストラリアを代表する現代音楽グループ“ELISIONEnsemble”のアーティスティック・ディレクターのダリル・バックリー氏が来日されます。

 

Oren Ambarchi - Shows in Japan

2005年9月13日-15日
数多くの日本人アーティストとのコラボレーションを始め、国際的活躍がめざましいオーストラリアを代表する国際的サウンド・アーティスト、オレン・アンバーチが、東京芸術見本市2005の参加に合わせて来日します。最近ではソロとしての活躍も話題のオレンの特別ライブをお楽しみ下さい。

 

地平線へのまなざしーブルーノ・レティ個展

2005年9月17日-10月9日
オーストラリア現代美術界を代表する画家ブルーノ・レティの日本初の個展が、京都で開催されます。イタリア出身の彼は1950年にオーストラリア・ビクトリア州に移住。まだ少年だった彼が見たオーストラリアの“地平線”の風景が彼の作品の原風景となったと言われています。そこには、アボリジニの精霊伝説、開拓労働者の詩、中世イタリア・シエナ派絵画の白熱する光、デカルトの二元論、禅思想の自然との合一感などが重層的に映り込んでいます。

彼の作品は、オーストラリアのみならず、故郷のローマ、ミラノ、そしてニューヨークなどでも高い名声を博しています。8月にはシドニーでの個展、その後はミラノでの重要な仕事が予定されている中、日本初となる今回の個展にはブルーノ・レティ本人が来日する予定です。油彩の最新作シリーズと、この10年間の仕事を概観することのできる版画やモノタイプなど約30点が出品されます。

 

George Washingmachineトリオ at 愛知万博2005

2005年9月18日-25日
豪州No.1ジャズフィドラー(バイオリニスト)がいよいよ日本発上陸!
オーストラリアから様々なアーティストを紹介してきた愛知万博2005も、いよいよラストスパート。万博の最後を飾るのは、オーストラリアで人気ナンバーワンのジャズフィドラー、George Washingmachine。Grahame Bellをはじめ、Don Burrows、James Morrison、Bob Barnard、Ian Date、Monica Trapagaといった豪国ジャズ界の大物たちと活動をともにしてきた彼。その後、国内はもとより、欧州各国で開催されるジャズフェスティバルからの出演依頼が相次ぎ、アテネオリンピックでも国際オリンピック協会(IOC)のオファーによりパフォーマンスを披露。2002年にはスコットランドで開催されたMartin Taylor's Guitar Festivalに参加し、ニューヨークではLes Paulと競演するなど、豪州No.1ジャズフィドラーとして世界各国で活躍しています。今回はトリオによる編成での来日となりますが、日豪交流年である2006年に開催が予定されている「フィドル・フェスティバル in Japan」への出演も決まっており、気合の入ったステージが期待されます。

 

アン・ノーマン尺八コンサート

2005年9月24日-10月2日
オーストラリアから、ライリー・リーと並び有名な尺八奏者アン・ノーマンが来日し、広島でコンサートを行います。7月に愛知万博で公演を行うフュージョンバンド「ワラタ」での琴の現代的な使用法と同様に、彼女もフルートやリコーダー、ディジリドゥーやギターなどとのデュオでの活動を繰り広げてきました。今回のコンサートでも、ディジリドゥ奏者の一宮千空との共演などが企画されています。しかし、彼女の尺八の魅力は、なんといっても「日本人以上に日本的な演奏」。日本の文部省の奨学金を得て人間国宝・故山口五郎氏(琴古流)に師事するなど常に練習を重ね、モナシュ大学では民族音楽学の修士号を取得。またオーストラリア国内では子供たちに日本の伝統音楽を紹介するワークショップを開くなど、日本とオーストラリアの文化交流に大きな役割を果たしています。

今回のコンサートでは「鶴の巣籠り」「鹿の遠音」「魔切り」「春の海」「風の歌」などの演奏に加え、新作「オーストラリア慕情」(仮題/初演)の発表、そして尺八の魅力についてのトークなど盛りだくさん。共演者として、現在日本に尺八留学中のブロンウィン・キルクパトリック、琴奏者の若岡史子、ディジュリドゥ奏者の一宮千空、そして広島尺八愛好会の皆さんを迎えます。

 

楽天団・アボリジニ現代戯曲公演「ドリーマーズ」

2005年9月28日-10月2日
オーストラリアの戯曲を数多く日本に紹介している演劇企画集団・楽天団。今回は演出家ウェズリー・イノックを共同演出に迎え、都会で暮らすアボリジニの一家の物語「ドリーマーズ」を日本語で上演します。アボリジニ社会に演劇を広めた劇作家ジャック・デーヴィスの代表作です。

時は1980年代、舞台はオーストラリア、パースの郊外。貧困、警察からの嫌がらせ、投獄など、都市での過酷で荒んだ暮らしを送る典型的なアボリジニの家族、ウォリッチ一家。家族の一員であるウォルじいさんが病のために亡くなる数日の間に、都会暮らしの中でも忘れずにいたアボリジニの生き様と言葉が夢のように立ち現れます。そしてその精神は、姪であるドリーの中に引き継がれていく…。

かつてジャック・デーヴィス自らが演じたアボリジニの老人ウォル役に「元祖演劇の素いき座」のベテラン土井通肇。その姪でウォルの精神を受け継いでいくドリー役に元唐組で、前回の楽天団公「レイディアンス」で強烈な印象を残した桜井ひとみ。ドリーの夫で酒に溺れ自分を見失いそうなロイに「個人企画集団*ガマ発動期」の蒲公仁。彼らの娘ミーナに舞台芸術学院出身劇団「無機王」のメンバーで、モダンスイマーズなどへの客演でも知られる中島佳子など、今回もプロデュース公演ならではの個性的な俳優が集まりました。

初日の上演後にはウェズリー・イノックを迎えてのアフタートークも開催予定。彼を共同演出に迎えることで、日本語による上演の中にアボリジニの伝統的なダンス・音楽が融合し、アボリジニの精神世界をより身近に感じることができるでしょう。


Wesley Enoch
1969年ストラドーブローク島(クイーンズ州ブリズベンの東方にある)出身の両親の間に長男として生まれる。1994年から97年にかけて芸術監督を担当した先住民劇団「クーエンバ・ジャダラ」で手掛けた「嘆きの七段階」が好評を博し、その後全国ツアーや海外公演が数多く行われました。同作品は90年代を代表する先住民演劇作品の一つとして数えられ、学校教育の教材としても扱われています。また1998年に、プレイボックス・シアターで「ストールン」を演出し高い評価を受けました。昨年まではアボリジニ劇団「ilbijeri」の芸術監督を務め、現在はオーストラリアで最も注目される演出家として各方面で活躍しています。

演劇企画集団・楽天団
演劇企画集団・楽天団は、日本では未紹介の優れた海外の演劇人、特に小数民族の演劇人との共同創作を数多く行ってきました。2001年のカナダ演劇祭ではカナダ先住民作家との共同創作、2002年からはオーストラリア・アボリジニ現代戯曲の連続上演などを実施して異文化、異ジャンルとの交流、出会いによる新しい演劇創造をめざしています。

 

ショーン・グラッドウェル at 横浜トリエンナーレ2005

2005年9月28日-12月18日
日本初の本格的な美術の祭典として2001年にスタートした横浜トリエンナーレ。山下ふ頭の倉庫を会場に国内外から約80名の現代美術家が参加して開かれる今回のテーマは「アートサーカス(日常からの飛翔)」。単に作品を静かに鑑賞するのではなく、見る側と見せる側の境界を飛び越えた参加型・体験型のアートで、それぞれのアーティストの斬新な発想が表現されます。オーストラリア・シドニーからは、スケートボードやブレイクダンス、ヒップホップ、グラフィティといったストリート・カルチャーを通して都市空間を批判的に考察するショーン・グラッドウェルが、クレイグ・ウォルシュと共に参加します。スローモーションで繰り広げられるその映像により、都市空間の日常の中に新たなドラマが立ち現れます。

ショーン・グラッドウェルからのメッセージ: 横浜トリエンナーレのために新たな作品を制作することは、とても名誉なことです。この機会に私は、都市環境における肉体的・精神的な変遷を、ブレイクダンスとスケートボードを用いて探求する予定です。

 

クレイグ・ウォルシュ at 横浜トリエンナーレ2005

2005年9月28日-12月18日
日本初の本格的な美術の祭典として2001年にスタートした横浜トリエンナーレ。山下ふ頭の倉庫を会場に国内外から約80名の現代美術家が参加して開かれる今回のテーマは「アートサーカス(日常からの飛翔)」。単に作品を静かに鑑賞するのではなく、見る側と見せる側の境界を飛び越えた参加型・体験型のアートで、それぞれのアーティストの斬新な発想が表現されます。

オーストラリアからは、日常の中に突然非日常の世界を作り出す映像インスタレーション作品で有名なクレイグ・ウォルシュが参加。ブリスベンを拠点に活動を続ける彼は、特に作品を提示する「場所」にこだわり、その背景との対話の中から生み出される現代アートの数々を制作してきました。例えばベトナムのハノイで最初に発表された作品では、何気ないオフィスビルのガラス窓に夜になると巨大な魚が泳ぐ水槽が現れ通行人を驚かせたり、美術館での展示でもギャラリーの扉の向こうに映像の海が現れたり、といった「場所」の意味を一瞬のうちに鮮やかに変容させる手腕が世界的に高い評価を得ています。

特にアジアを中心とする数々のレジデンシーやコミッション・ワークの制作などに加え、近年は2004年ハバナ・ビエンナーレなど世界各地での国際展にも参加している彼。オーストラリアを代表する野外ライブ・フェスティバルLividやクイーンズランド州のWoodford Folk Festivalなど、フェスティバル・サイトでの環境映像インスタレーションの仕事も数多く経験しています。横浜トリエンナーレでは、会場との対話の中から生み出される新作 Cross Referenceを発表。まさにクレイグ・ウォルシュの為にあるようなテーマが掲げられた国際展で、今度はどのような驚きの空間を私たちに見せてくれるのか、皆さんの目で是非お確かめ下さい。

 

タスマニア交響楽団 at アジア・オーケストラ・ウィーク2005

2005年10月3日-月5日
"オーケストラから見えるアジアの今と未来"をテーマに、アジア・太平洋地域から代表するオーケストラを招いて2002年にスタートしたアジア・オーケストラ・ウィーク。これまで知ることのなかったアジアのオーケストラに接することのできる貴重な機会です。四年目の今回は、中国、韓国、インドネシアに加え、オーストラリア・タスマニア州からタスマニア交響楽団が来日します。

タスマニア交響楽団はアマチュア時代も含めて80年以上の歴史を誇るオーストラリアで最も古いオーケストラ。47名の小編成オーケストラながら、積極的なCD録音や演奏活動で世界でもその存在は注目の的。待望の来日です。昨年ドイツ生まれのセバスチャン・ラング=レッシングを首席指揮者・芸術監督に迎え、楽団のメンバーとも良い関係を築いていると言われています。今回は東京・大阪での公演のほか、姉妹都市である大阪・池田市の池田北高校を訪問し交流コンサート(非公開)も行う予定です。

 

Nigel MacLean 再来日公演

2005年10月8日-12日
その卓越したテクニックと親しみやすいキャラクターで、昨年の初来日の際に日本の音楽ファンを魅了したジャズフィドラー Nigel MacLeanが再来日。今回は、来年の日豪交流年に予定されている「フィドル・フェスティバル in Japan」のプロモーション活動のために来日し、昨年に続き東京、大阪でライブをおこないます。特に「千代田区昼休みコンサート」では、日本人ピアニスト山本琢とのデュオで、スタンダードや映画音楽など日本のナンバーも含めた誰もが知っている曲をお届けします。ぜひお見逃しなく。

 

ジェイソン・ロバーツ展「ゴンドワナ・ショウ」

2005年10月13日-26日
タスマニアに住み、動物や自然をテーマにした水彩画を描き続ける画家ジェイソン・ロバーツの日本初の個展が東京で開かれています。ゴンドワナとは、数億年前に存在した巨大大陸の名前。その後ゴンドワナは分裂し、現在のオーストラリア、アフリカ、南アメリカ大陸などが誕生しました。コアラやカンガルー、ユーカリなどに代表されるオーストラリア特有の生態系は、約1億年前に起きたこの大陸の分裂と深く関係しています。特にタスマニアにはゴンドワナを起源とする動植物が多く生息し、その勇壮な地形は大陸分裂の際の断層をそのまま残していると言われています。そんなオーストラリア・タスマニアの自然を、まるで写真のように精緻なタッチで描くジェイソン・ロバーツ。ただ美しいだけでなく、その奥に壮大な地球の歴史を見ることのできる彼の水彩画約20点が展示されています。

 

CINE VIS CINEMA 2005 第6回ショート・フィルム作品上映会

2005年10月21日-23日
短編自主制作映画の上映会CINE VIS CINEMAにて「第4回豪日学生フィルム・フォーラム in ジャパン」と題して、オーストラリアの短編7本が上映されます。同プログラムは、10月14日にシドニーで開催される「4th Australia-Japan Student Film Forum」でCINE VIS CINEMAのこれまでの受賞作2作品と共に上映された後、日本にやってきます。CINE VIS CINEMAではこの他にも、フィルムで製作された短編約40本が三日間にわたり上映されます。今や巨匠と言われているような名監督も、最初はこのような短編映画からキャリアを積み上げていくもの。明日の新たな才能を、ぜひあなたの目で発掘してください。

『The First Thing that I Remember』
Documentary | 8 mins | Dir: Tamara Meem | The Australian Film, Television & Radio School

『Crossing Cultures』
Documentary | 8 mins | Dir: Rebecca Freezer and Yun Zhang | The University of Adelaide

『Yellow Tail』
Drama | 9 mins | Dir: Kya Blondin | The University of Technology, Sydney's Media Arts

『A Silence Full of Things』
Documentary | 6 mins | Dir: Alejandra Canales | The Australian Film, Television & Radio School

『Colliding Temporalities』
Experimental | 6 mins | Dir: August Boehm | The University of Adelaide

『Boys Grammar』
Drama | 8 mins | Dir: Dean Francis | The Australian Film, Television & Radio School

『Earworm』
Experimental | 7 mins | Dir: Jono Ma | The University of Technology, Sydney's Media Arts

 

EPOC in CG vol.6: CGアニメーションの新境地

2005年10月26日-17日
東京・下北沢で開かれるCGアニメーションの特集上映「EPOC in CG」にて、3DCG技術の最先端を行くオーストラリアのアニメーション2作が上映されます。

スターウォーズ(エピソード1〜3)など、近年数多くのハリウッド映画を生み出しているオーストラリアは、今や知る人ぞ知る映画大国。国立演劇芸術研究所(NIDA)など数多くの専門教育機関から続々と若い才能が生まれています。世界最大規模のアニメ映画祭「Annecy」での話題作が特集される今回の上映には、高い芸術性でグランプリを受賞した『ジャスパー・モレロの冒険』、そして映画『ジュラシックパーク』では3DCGを担当したMike Hollands監督のショートコメディ『ピナータ』の2本が選ばれました。

この分野では早くから世界を牽引している日本のアニメーション業界に、彼らの作品はどのようなインパクトを与えることができるでしょうか。特集ではこの他にも、伝統的なアニメーション手法とCGとを組み合わせた“ミックステクニック”や、手書きアニメーターのデジタル技法まで、CGの新境地を開く9作品が上映されます。

『ジャスパー・モレロの冒険/The Mysterious geographic explorations for Jasper Morello』
3D Animation | 27 mins | Dir: Anthony Lucas | 3D FILMS PTY.LTD/AUSTRALIAN FILM COMMISSION/FILM VICTORIA/SPECIAL BROADCASTING SERVICE

『ピナータ/Piñata』
3D Animation | 4 mins | Dir: Mike Hollands | ACT3 ANIMATION/AUSTRALIAN FILM COMMISSION

 

Dwayne Lawler一人芝居『TOKYO VAMPIRE』

2005年10月30日-12月25日
新国立劇場の『マクベス』で昨年話題を呼んだ俳優Dwayne Lawlerが、今度は一人芝居『TOKYO VAMPIRE』を東京・荻窪のユニークなスタジオ空間「ミュージアム東京」で上演します。「マクベス」に引き続き、英語での上演となります。

ヴァンパイアの家紋を舞台の背景としたこの作品は、ヴァンパイアが太陽の中(=死)へと進んで行く前の最後の懺悔を描いたホラーストーリー。彼の人生、夜ごとの殺人、そして一人の孤独な女性「ダーク・レディー」との哀れで痛ましい恋を写実的に物語ります。

「カメレオン アプローチ」という独自の観点から、Dwayne Lawlerは日本の文化や環境を取り入れた作品を作り上げてきました。衣装は日本のゴシックやビジュアル系の影響を受けた独特なデザインとなる予定。また、心音のような和太鼓がさらに感覚を刺激します。

 

トレント・ヤンセン「The Sign Project」at Tokyo Design Tide 2005

2005年11月2日-6日
「The Sign Project」は、オーストラリアの使用済みの交通標識を素材に作られたシンプルなデザインのイスの数々。高速道路の道路脇で役目を終えたアルミ製の標識は、様々な体験をその表面の傷やヘコミなどの形で残しています。そんな新鮮な感覚のアイロニーたっぷりな作品で、ここ数年世界中で注目を浴びているデザイナー、トレント・ヤンセンがその作品とともに来日。原宿LHPの店頭にて制作の実演と販売を行います。

 

映画『ポビーとディンガン』

2005年11月26日
発売と同時に口コミで10万部を超えるベストセラーとなった小説『ポビーとディンガン』。シドニータイムス紙に「この物語は、21世紀の”星の王子さま”だ」と絶賛され、日本をはじめ世界中の言語に翻訳出版された名作が、『フル・モンティ』などコメディ作品で知られるピーター・カッタネオ監督の手によりついに映画化されました。イマジナリー・フレンドを信じる妹と、妹を思い遣る兄のけなげで切ない物語が、壮大で色鮮やかなオーストラリアの風景を背景に繰り広げられる、感動の一本です。

ストーリー
僕はアシュモル。11歳。僕にはケリーアンという妹がいる。ケリーアンには、ポビーとディンガンという大好きなお友達がいるんだけど、僕はそれが妹の作り上げた”本当はいない”お友達だって知っている。ある日妹はポビーとディンガンがいなくなった、って言い出した。その日から妹は日に日に弱っていく。仕方ない、妹の病気を治す為にも、僕が”お友達”を探すしかない!早速貼り紙を街中に貼って、自転車で街の人みんなに配ったけれど、やっぱり2人は見つからない。そうか、ポビーとディンガンは死んじゃったのかもしれない。じゃあ、妹のために2人のお葬式を盛大にやってあげよう!でも、お葬式ってどうやってやればいいんだろう・・・?

 

プラットスペース&バス・プロジェクト

2005年11月26日-2006年1月9日
シドニーとメルボルンで写真やビデオを素材に活躍する現代アーティスト約20名を紹介するグループ展。プラットスペースとバスは、それぞれの都市で活動する現代アーティストの為のネットワーク。メルボルンを拠点とするバスからは「写真」というフォーマットの中で現代における主観性を扱った作品が、そしてシドニーのプラットスペースからは「ビデオ」と「パフォーマンス」を使用してアイデンティティやセクシャリティ、またエスニシティについて探求している作品が多数紹介されます。

オーストラリアの現代アート界は、英国とアメリカの間に存在しながらアジアにとても近いという、その地理的・政治的な周辺性をポジティブに活かし、新たな視点が生まれる源泉として今世界中から注目を集めています。そんな勢いにも乗って、今回このプロジェクトは大阪でのグループ展に加えて東京で開かれるデザインフェスタにもブース出展の予定です。「新しいものは常に狭間から生まれる」というアートの原則をぜひこの機会に実感してください。

 

劇団解体社・国際共同製作プロジェクト「Dream Regime, Tokyo」

2005年12月2日-4日
オーストラリア大使館での公演『遊行の景色X』など、これまでオーストラリアのアーティストとの共同製作を積極的に進めて来た劇団解体社。常に舞台芸術の世界の最先端を行く独特の舞台は、世界中で議論を巻き起こしています。今回は2002年1月より、英国、ドイツ、東チモール、ヨルダンとワークショップを続けて来た長期コラボレーション・プロジェクト「Dream Regime」をついに東京で初演。オーストラリアからは気鋭の若手女優Olivia Crangが参加する他、韓国、バーレーン、ウェールズ、ドイツなどから6名の海外ゲスト・アーティストを迎え、東京での長期にわたる稽古期間を経て作品を共同で作り上げます。作品のテーマは「グローバル化が進む世界におけるマイノリティの歴史」、そして「反省的思考」。2003年のオーストラリア大使館での公演以来、約2年ぶりとなる東京での本公演。再び大きな議論を巻き起こすことは間違いありません。

Olivia Crang
メルボルン大学クリエイティブ・アーツ科を卒業後、ヴィクトリアン・カレッジ・オブ・ジ・アーツ(VCA)にて演出学の学位を取得。メルボルンの若手劇団で活動を続けていたが、鈴木メソッドや野口体操、舞踏などとの出会いをきっかけとし2005年初めに来日。以後、大野慶人、和栗由紀夫、大駱駝艦などで研修を積み、数々の公演に出演。今年夏より劇団解体社にて稽古をはじめる。

 

ディーン・ボーエン個展「犬」

2005年12月3日-2006年1月31日
戌年到来記念企画!
そのカラフルでユーモラスな作風で高い人気を誇る画家ディーン・ボーエン。今年は兵庫国際絵画コンペティションへの入選出品や、日本デビュー10周年を飾る個展「Journey」など、日本でも頻繁に紹介されるようになりました。

戌年の到来を記念して開催される本展は、様々な版種、油絵、彫刻等によって表現されてきた、奇妙でユーモラスな「犬」の作品ばかり約30点が展示されます。ボーエンにとって「犬」は、子供の頃から一緒にブッシュを傷だらけになりながら駆け回った親友であると同時に、最も身近に存在する野生の獣の一種。それは可愛いペットとしてではなく、粗野な生命の本質であり、時には人間世界を映す鏡でもあります。枝やボールをくわえ、用を足しながら飄々と荒野の一本道を歩行する、孤独で気ままな犬たちの姿。アール・ブリュットの影響も色濃い作者にとって、「犬」は画家の宝物=生のままの感性を導き描くための愛すべきミューズなのでしょう。

 

ロバート・ウィン×箭内ゆうり展「微光」

2005年12月3日-17日
オーストラリアの現代ガラスアートを代表するロバート・ウィンと、そのスタジオで彼と共に働く東京出身の新進アーティスト箭内ゆうりの共同作業で生まれた作品展が開催されます。日本の陶芸の「楽」の技法から得たインスピレーションを生かし、その技法をガラス製作の行程に取り入れた作品の数々が展示されます。「楽」の伝統美のなかに現れる釉薬の光と、ガラスが持つ透明な光との融合をお楽しみください。

 

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