Australian Embassy Tokyo
在日オーストラリア大使館

過去のイベント 2009

2009年のイベント

 

Slow Artとオーストラリア

2009年1月31日

メルボルンをベースに日々の生活や自然、環境、社会などと密接に関わる作品を作り続ける「スローアート」を実践するアーティスト・加藤チャコがオーストラリアのアートシーンを紹介するイベント「Slow Artとオーストラリア」が東京のプロジェクトスペースKANDADAで開催されます。

アート/生活/社会/環境の有機的な関係の中から作品を紡ぎだしているオーストラリアのアーティストたちや、メルボルン周辺のオルタナティブスペースやアーティストランスペースの現在について、現場で日々活動を続ける加藤チャコが映像などを用いて紹介。また、メルボルン滞在経験のある東京藝術大学准教授でアーテストの中村政人がコメンテーターとして参加。日本の国内外の状況と照らした時にどのような違い、可能性が見えてくるのか。この新しい動きから、これからのアートと地球の未来が見えてくるかもしれません。

 

恵比寿映像祭

2009年2月20日-3月1日
東京都写真美術館を会場として、映像をめぐる過去/現在/未来を問う新しい映像祭「恵比寿映像祭」がスタートします。第1回の今回は「オルタナティヴ・ヴィジョンズ」を総合テーマとし、過去や未来、他者の視点などをキーワードに世界各地から様々なジャンルの「映像」が紹介されます。

オーストラリアからは、ブリスベンを拠点とする映像アーティスト集団「OtherFilm」のプログラミングによる特集上映が2プログラム予定されています。22日「オーストラリア・アートフィルム史」では、欧米の映画作家たちから物理的な距離のある環境で独自の発展を遂げた、60年代初頭から90年代のアヴァンギャルド映画が一気に上映されます。(上映後にプログラマー、ジョエル・スターンと作家ディルク・デ・ビュルインによるゲストトークあり)また「オーストラリア現代映像の実験室」では、オーストラリア映像表現の新潮流を概観します。またライブイベントとして、ディルク・デ・ブリュインやジョエル・スターンによる「拡張映画とソニック・パフォーマンス」も開催。マルチスクリーン上映や即興ヴォーカル、ライブパフォーマンスなど、独創的な手法で話題を集めるオーストラリア映像パフォーマンスの最前線が紹介されます。

 

Mind in Sound 生態系を聴取する - 環境にむかうサウンド・アート

2009年2月21日-3月10日
植物の生理現象や空気の流れ、生物の交信など、私たちの知覚の領域を越えた音の世界を様々な技術や手法を用いて聴取可能な響きへと転化してきたサウンド・アーティストたちの活動を紹介する企画展「Mind in Sound」。オーストラリアからは「オーストラリアン・サウンド・デザイン・プロジェクト」のディレクター、Ros Bandtが参加します。

生態系の奏でるメッセージを聴くことは、環境の知性を理解し交信すること、ひいては受け手の私たちの側の「mind - 精神」の必要性を示唆していると言えるでしょう。環境を人間と対立するものとしてではなく、私たちの生きている社会の大きな枠組みとして捉えるきっかけを、サウンド・アーティストたちの実践は提示してくれることでしょう。

 

映画:『オーストラリア』

2009年2月28日-
巨匠バズ・ラーマンが、創造性あふれる美的感覚で描く世紀のエピック・アドベンチャー・ロマンス。オーストラリア出身の世界的スター、二コール・キッドマン、ヒュー・ジャックマン主演。

 

Clint Hurrell at 東京芸術見本市2009

2009年3月4日-7日
野外フェスティバルやパブリックアートのデザイナー、演出家として高く評価されているSpectacle Art Inc.の代表Clint Hurrellが来日し、東京芸術見本市2009にてヴィジュアル・プレゼンテーションを行います。今後日本のダンスカンパニーと共にスペクタクル・アートの共同製作を計画中。"Ethereal Body" と題した作品の制作へとつなげるため、多様なスキルを持った日本のアーティストとの出会いを求めています。

Clint Hurrellはこれまで15年以上にわたり野外演劇やパブリックアート、美術展、音楽フェスティバル、ダンス・パーティーや野外フェスティバルなどのためのモニュメント制作の仕事を続けてきました。レーザー光線やビデオ・プロジェクター、サーチライトや花火などを利用し、演劇的な演出の中でモニュメントを見せていくそのユニークな表現が、国際的に高く評価されています。

 

Rosemary Hinde at 東京芸術見本市2009

2009年3月4日-7日
オーストラリアと日本の舞台芸術交流の分野で、過去20年以上にわたり多くの事業を成功させてきたRosemary Hinde。メルボルンのThe Arts Centreを舞台に2010年から新たに始まる「Kenneth Myer Asian Theatre Series」のキュレーターとして東京芸術見本市2009に参加。日本のアーティストやプロデューサーと数多くのミーティングを行います。

Kenneth Myer Asian Theatre Seriesではアジアの才能あるアーティストを招待し、メルボルンのThe Arts Centreでのアーティスト・イン・レジデンスの環境を提供。演劇、ダンスに限らずニューメディア・アートなどクロスプラットフォームなジャンルを含めた幅広い視野で、アジア各地の才能を紹介する予定です。

 

楽天団公演『バイティン・バック』

2009年3月25日-3月30日
オーストラリアの作品を数多く日本に紹介している演劇企画集団・楽天団。今年の新作は、ブリスベンの西にある小さな町に住むアボリジニ一家の物語『バイティン・バック』。小説家として有名なヴィヴィアン・クリーヴンのデビュー作です。ドタバタ喜劇の形をとりながら、人権問題、親子関係、そして思春期の性やドラッグなど、現代オーストラリアの社会状況を笑いの中に描きます。

ストーリー
メイヴィス・ドゥーリーは、フットボールの花形選手である息子のネヴィルに夢を託している。フットボールへの道がアボリジニにとって今の暮らしを抜け出す唯一のチャンスだと思っているから。けれど作家ジーン・リースに憧れるネヴィルには、全く別の夢があった…。

 

"A Nest of Cinnamon" by Stringraphy Ensemble & Australian Creators

2009年4月17日-18日

 

鈴木良雄トリオ with マット・キーガン

2009年4月20日
日本ジャズ界を代表するジャズベース奏者、鈴木良雄トリオのステージに、シドニー大学音楽院で学んだピアニストのハクエイ・キムとドラムスの大村亘が参加。更に、同音楽院の先輩にあたり、日豪ジャズオーケストラ「JAJO」のメンバーとして両国をまたいで活躍の場を拡げるサックス奏者マット・キーガンもゲスト出演。まさに日豪トップクラスのジャズ・ミュージシャンたちが、密度の濃いセッションを繰り広げます。

 

Stewart Russell エキシビジョン「無駄にしない美学」

2009年4月24日-5月17日
メルボルンを拠点に活躍するプリンティング・アーティスト、Stewart Russellのエキシビジョンが、メルボルンの姉妹都市・大阪で開催されます。

Stewart Russellは世界各地での活動を通じてキャリアを重ね、ハンドプリンティングによるテキスタイルをベースに、オリジナリティに富んだ創作方法を確立。「無駄にしない美学」とは、記憶、文化、自然、普段目にするもの、創作プロセス、日々の会話など、彼にとって身近な存在や出来事すべてを作品の素材とするという、彼の創作活動に一貫したテーマです。

今回展示されるのは、スタジオに山積みになっていた端材を新たに作品として再生させた「The Floor Installations」と、作業台の上の布に残されたプリント実験のあとに美しさを見いだした "backing cloth" という彼の代表的アートワークによる「The Walls」。

「無駄にしない美学」による作品空間が、大阪の最先端ファッションビル「イーマ」のエントランスに現れます。日常のさりげないことや要らないと思っていたものも、拾い集めてみればおもしろく美しくなる可能性がある、というStewartの前向きなセンスは、日常のおもしろさを追求する明るい大阪の人々の共感もよぶことでしょう。

 

ワールドジャズグループ「Way Out West」日本ツアー

2009年5月2日-7日
ベトナムとアフリカの音楽を巧みにジャズにブレンドした独特のサウンドが話題を呼ぶ Way Out West が、初の日本ツアーを行います。アルバム「OLD GROOVES FOR NEW STREETS」は2008年APRA賞"Jazz Work of the Year"ノミネートをはじめ、2009年のBell Award(オーストラリア・ジャズ賞)でも"Australian Jazz Ensemble of the Year"を受賞するなど、そのオーストラリアならではの多文化混合サウンドは高く評価されています。

 

Nat Bartsch Trio 日本ツアー

2009年5月9日-16日
オーストラリアで現在もっとも注目を集める新進気鋭のジャズ・ピアニストNat Bartschの初来日ツアー。今回は、松永誠剛(ベース)、Sebastiaan Kaptein(ドラム/東京)、中村亮(ドラム/福岡)と共に国際トリオを結成。メルボルンでその才能を認められ、北欧で学び、そして帰国後颯爽とデビューアルバムを発表し話題を集めるNat Bartsch。弱冠24歳のその叙情的なステージを是非お楽しみください。

 

ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2009

2009年6月4日-14日
今年で11年目を迎えるショートショートフィルムフェスティバル。その形態を様々に変えながら、世界中の新進気鋭のアーティストが作る短編映像の最先端を常に紹介してきました。今年のインターナショナル部門には17カ国38作品がノミネート。オーストラリアからはRenee Webster監督による「Edgar and Elizabeth」が上映されます。

『エドガーとエリザベス(Edgar and Elizabeth)』
Renee Webster | オーストラリア | ロマンス | 17分20秒

シャイな新人コピー係、エリザベスからのSOS!やって来たのはどもり気味のコピー機修理工、エドガー。2人はお互いを意識しながらも、敵対心むき出しのコピー機に悪戦苦闘する。

 

第30回 日豪合同セミナー 〜「草の根交流」が築く日豪の絆〜

2009年6月6日-7日
オーストラリア好きが集まって、お互いに勉強し語り合う場として毎年開催され、今年で30回目を迎える「日豪合同セミナー」。今年も八王子の大学セミナーハウスを会場に、外交、政治問題から文化やレジャーの話題まで、数多くの分科会や講演会が企画されています。

今年のテーマは「草の根交流」。国際政治や経済、貿易など日豪の関係は多面的に広がっていますが、日豪の真の友好の基礎は、様々な活動を通して培った人と人のつながりにあります。コーラスやライフセービング、映画制作、さらに英語教育やワーキング・ホリデーなど、いろいろな現場で活動してきた人々の経験談を、土曜日に開く8つの分科会で話し合います。分科会の後、土曜日の夜はワインパーティー。翌日は、日豪の友好に尽くしたオーストラリア人神父を描いた映画「愛の鉄道」を鑑賞します。

 

パシフィック・ミュージック・フェスティバル 2009

2009年7月4日-29日
故レナード・バーンスタインの提唱で始まった 国籍や言葉の壁を超えた交流とハーモニー
世界の若手音楽家の育成を目的に、札幌を主会場に開かれる音楽祭「パシフィック・ミュージック・フェスティバル」が今年で20回の記念の年を迎えます。 1990年にレナード・バーンスタインにより創設されて以来、毎年、世界各国20以上の年で行われるオーディションで選ばれた若手音楽家の育成プログラム「PMFアカデミー」を開催してきました。

20回記念として、PMFを修了した後、世界各地のオーケストラでプロとして活躍する音楽家を札幌に迎え、「PMFアニバーサリー・オーケストラ」を編成。PMFの元芸術監督クリストフ・エッシェンバッハの指揮でコンサートを行います。オーストラリアからはこのオーケストラに、5名の優秀な修了生が参加します。

オーストラリアから「PMFアニバーサリー・オーケストラ」に参加する音楽家:

ニコラス・トムキン(クイーンズランド管弦楽団 / ヴィオラ)、ドゥシャン・ヴァルコヴィチ(クイーンズランド管弦楽団 / コントラバス)、アンソニー・ハインリックス(シドニー交響楽団 / トランペット)、ドンナ・パークス(ルイスヴィル管弦楽団 / トロンボーン)
シャノン・ピッタウェイ(シンガポール交響楽団 / バス・トロンボーン)

 

サッポロ・シティ・ジャズ

2009年7月12日-8月9日
日本国内でも特にジャズ愛好家が多いと言われる北海道で、今年も日本最大規模のジャズフェスティバル「SAPPORO CITY JAZZ」が開催されます。昨年は95,000人を超える入場者数を誇り大成功を収めたこのフェスティバルに、オーストラリアから今年は2つのバンドが出演します。

シンボルイベント「PREMIUM 400 WHITE ROCK MUSIC TENT LIVE」に参加するThe Shuffle Clubは、スウィング、ブルーズ、ジャズ、ブギをブレンドし溢れるエネルギーで疾走するカルテット。2007年のSAPPORO CITY JAZZでのライブは、その年で最も評価されたライブの一つとなりました。

野外ライブ「NORTH JAM SESSION」に出演するのは、アンビエントなテクノジャズを目指し近年大きな注目を浴びているFogg。フェスティバルの最後を飾るイベントで魅惑的な舞台をお届けします。

 

アン・グラハム at 水と土の芸術祭2009

2009年7月18日-12月27日
信濃川と阿賀野川という二つの河によって栄え、独自の文化が切り開かれてきた新潟。水と土への感謝と、そこから生まれた文化を再発見し次世代に伝えていくためのアート・フェスティバル「水と土の芸術祭」が開催されます。国内外のアーティストと市民や地域との恊働制作作品約60点を市内各所に展示。また各美術館や博物館では、水と土の生活文化を紹介する特別展を開催します。

オーストラリアからは、越後妻有アート・トリエンナーレへの参加など新潟ととても関係の深いアン・グラハムが参加し、西蒲区五ヶ浜の歴史を引く茅葺き民家を舞台に4つの作品を制作。大きな窓には、魚が泳ぐ巨大な水槽が出現し、角海浜の鳴き砂を使った作品は海辺の波音を再現します。この他、魚の折り紙を作品に追加していくワークショップや、「越後の毒消し売り」の歴史からヒントを得たハーブガーデンで特製のお茶が振る舞われるなど、アン・グラハムならではの観客参加型の展示で私たちを楽しませてくれます。

なお、7月12日には「アン・グラハムさん歓迎 お掃除顔合わせ会」が開かれ、7月8日-27日の作品制作期間中は制作サポーターなども募集しています。

 

オーストラリア・ハウス at 大地の芸術祭

2009年7月26日-9月13日
新潟の里山・越後妻有の約7万6000ヘクタールという広大な大地を舞台に、現代アートが地域住民と共に奏でる3年に1度のお祭り「大地の芸術祭ー越後妻有アートトリエンナーレ」。第4回目となる今回の芸術祭では、3人のオーストラリア人アーティストとキュレーター1人が、浦田地区の築100年とも言われる伝統的な日本の家を「オーストラリア・ハウス」という名のアート作品に大改装。アーティスト達はこの家で生活をし、地域住民および芸術祭にお越し頂く皆様との交流を通じて作品を制作・展示します。ぜひ「オーストラリア・ハウス」に足を運んで、自然とアートを五感で堪能して下さい。

なお、この「オーストラリア・ハウス」は大地の芸術祭終了後も、両国のアーティストによる日豪文化交流の恒常的な場として機能する予定です。このプロジェクトは在日オーストラリア大使館、豪日交流基金、アジアリンクの協力の下、運営されていきます。

 

第12回世界バレエフェスティバル

2009年8月1日-13日
3年に一度、世界のトップスターが東京に集まる、バレエのオリンピック
世界のトップレベルのバレエダンサーが一堂に会する「最高峰のガラ公演」として有名な世界バレエフェスティバル。現在のバレエ界の動向が一目で分かる、国際バレエの縮図とも言われています。今回オーストラリアからは、ルシンダ・ダン、ロバート・カラン、そしてレイチェル・ローリンズの3名が参加します。

 

GOMA at スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2009

2009年8月21日-23日
「音楽を通しての異文化交流」をテーマに、世界各地のワールドミュージックの巨匠が富山県南砺市に集まるスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド。19回目を迎える今年もアーティストたちはフェスティバルが始まる前から現地入りし、プロジェクトによっては数ヶ月にもわたる交流やワークショップを経て、当日は市民と共にステージに上がります。異文化料理教室など、音楽のみならず多様なジャンルでの文化交流を実現している注目のフェスティバルです。今年は、オーストラリアの先住民アボリジニの民族楽器「ディジュリドゥ」の数少ない日本人奏者としてこの楽器の持つ可能性を追求し続けるGOMAが出演。

 

Michelle Park個展「Mr Green and The Piano」

2009年8月31日-9月5日
シドニーを拠点に活動するアーティスト、ミッシェル・パークの日本で初めての個展が開催されます。日本の文部科学省からの奨学金を受け、東京藝術大学で木版画を学び修士号を取得。木版画作品をはじめ、木版を使用したアニメーション作品を制作しています。今回の個展は、彼女が東京で学びながら制作したビデオ・インスタレーション。大都市に住むミスター・グリーンという名のある中年男性の物語です。

Story
ある日ミスター・グリーンは、自分の周りの世界や人々に共感も理解もできなくなった事に気がつく。人との触れ合いやコミュニケーション能力のなさを感じているうちに、彼はふと、この世界も自分と同じ危機に直面していることを知る。そして彼は見知らぬ人に手紙を書き始める。ラブレター、それは自分自身にあてた手紙。少なくとも彼自身には分かるように願いを込めて。これまでの長い沈黙から目覚めるために。

 

Australian Jazz Night at 東京JAZZ 2009

2009年9月4日-6日
毎年、夏の東京に国内外の大物アーティストが集まるアジア最大級のジャズイベント、東京JAZZ。2006年には日豪ジャズオーケストラ(JAJO)も参加したこの日本を代表するフェスティバルに、今年はオーストラリアを代表するジャズバンドが3組出演。丸ビルと東京国際フォーラムのオープンスペースを舞台に、東京の夏の夜を鮮やかに彩ります。

 

Bruno Leti 新作展「Reflections」

2009年9月25日-10月18日
地平線や水平線から得る感覚、思索を見事なまでに芸術作品に蒸留するオーストラリア現代絵画の最高峰ブルーノ・レティ。二元性の美学を探求してきた作者は、芸術における 「ゆらめき」の重要性についても高い関心を示しています。

上と下、光と闇、実在と抽象など、あらゆる事象、観念を分割する水平に引かれた境界線。それは私たちの周囲いたるところに偏在する普遍的な「線」。 本展では、水面の反射像から霊感を得て展開した最新作シリーズ36点を展示。直接的な筆触による油絵、転写から予測のつかないイメージが生まれるモノタイプ、世界を直写しながらも完全な抽象像を結ぶ写真、といった三種の異なる表現技法により、現実世界から森羅万象を抽出する作者の本領が発揮されています。

 

"Living Lens" at 神戸ビエンナーレ2009

2009年10月3日-11月23日
古くから陸海の交通の要衝として栄え、異文化交流の最先端として発展してきた神戸を舞台として、震災10年を機にスタートした神戸ビエンナーレ。今回は日本の文化の古くて新しい姿勢「わ wa」をテーマに、国内外の最新アート作品が集まります。

アート・イン・コンテナ国際展の一角で紹介されているLiving Lens [habitat] featuring Saccade-based Displayは、文化庁メディア芸術祭との連携企画の1つとして展示されているインスタレーション。研究者の渡邊淳司、安藤英由樹によるLEDを使った実験的作品「Saccade based display」の技術を利用して、オーストラリア在住のアーティストMaria Adriana Verdaasdonkと映像作家の田畑哲稔によるユニット「66b/cell」が、そこに身体・映像・サウンドを有機的に織り込んだメディア・アート作品です。

港湾都市として栄えた神戸の象徴としての「コンテナ」の中を舞台に、最先端の視覚情報提示技術「Saccade-based Display」を使って、オーストラリアの植物や風景などを含む多様なイメージを持つひとつの庭が再現されます。

 

第4回札幌国際短編映画祭

2009年10月14日-10月18日
今や札幌を代表する映画祭の一つとなった札幌国際短編映画祭。今年は世界97カ国、3411本の応募作品の中から選び抜かれた103作品と特別プログラムが上映されます。

オーストラリアからは作品部門に、マーサ・アンサラ監督『ベティとジョーのバラード』(2008)、アンソニー・ルーカス監督『ウサギのホッピーちゃん』(2008)、そして世界各地で受賞しているアナ・マッグラス監督からは『小さな変化』(2007)、『ザ・ワルツ』(2007)、『ブランコとラウンドアバウト』(2008)と、3監督による5作品が上映されます。また、10月14日(水)の夜にはクイーンズランド・フィルムセンター「QPIX」セレクションによるオーストラリアショートを7本まとめて上映するスペシャルプログラムがシアターキノにて開催されます。

 

相原正明写真展「SPIRIT オーストラリア植物物語」

2009年10月16日-2010年2月24日
オーストラリア大陸の大自然に魅せられ、その壮大な風景を撮り続けてきた写真家・相原正明。今回の写真展でフィーチャーされるのは、オーストラリアの植物たち。雄大な風景やかわいらしい動物などの代表的なイメージの影で、今まであまり光のあてられてこなかったオーストラリアの植物の多様性をぜひご覧ください。

 

映画『メアリーとマックス』at 第22回東京国際映画祭

2009年10月17日-25日
アジアを代表する映画祭としてその独自の地位を確立している東京国際映画祭。今年も81の国と地域で製作された743本の候補作の中から厳選された作品を上映するコンペティション部門をはじめ、「日本映画・ある視点」部門や「自然と人間の共生」をテーマとした特集上映「natural TIFF 」など様々なジャンルの作品が9日間で一気に上映されます。

オーストラリアからは、世界の映画祭で高い評価を受けた作品を日本プレミア上映する「WORLD CINEMA」部門に、アダム・エリオット監督の『メアリーとマックス』が出品されています。恋に恋する少女メアリーと、障害を抱える中年男性マックスの、長年の文通による交流を描いた人形アニメーションの本作はブラックでポップなセンスが満載で最後には大きな感動が待ちうける作品です。アヌシー国際アニメーション映画祭最高賞受賞した注目作、ぜひこの機会にご覧下さい。

 

OPEN STUDIO

2009年10月23日-10月25日
クリエーター・イン・レジデンスのオーウェン・ルオンがトーキョーワンダーサイトにて制作の現場を公開。

 

ロスリンド・ピゴット「several types of flight - letters to the sky」

2009年10月27日-11月7日
新作のドローイング 約30点を展示。

 

Men of Steel 日本初演

2009年11月7日-14日
はじけるポップコーン、スイカとの闘いや伐採されるブロッコリーの森…。Men of Steelは、ジンジャークッキーの人形型でできた3人のハチャメチャなシェフが繰り広げる、最高に創意に満ちたオブジェクト・シアターです。

メルボルンのヴィクトリアン・カレッジ・オブ・アート(VCA)出身の3人の若手人形遣いを中心に旗揚げされたMen of Steel。2006年のメルボルン国際コメディー・フェスティバルで注目を浴びディレクター賞を受賞したのをきっかけに、オーストラリア国内ツアーを成功させ、ビクトリア州グリーン・ルーム賞(最優秀パフォーマー・アンサンブル賞)など数多くの賞を受賞。2007年にはロンドンのソーホー・シアターでのヒット上演をはじめ、エジンバラ演劇祭フリンジ、香港、北京、韓国などを回り、その言葉を越えた独特の表現世界は国際的にも高い評価を得ています。

現代の消費社会を風刺し、笑い飛ばしているかのようにも見える奇天烈なストーリーの数々。シンプルな舞台装置や人形たち、そしてそれとは不釣り合いなほど大仰な音響効果にのせて繰り広げられるユーモアのセンスあふれる舞台は、子どもたちのみならず、あらゆる年代の観客を魅了することでしょう。

 

ドキュメンタリー映画『シード・ハンター』上映会

2009年11月12日
国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット、オーストラリア大使館、及び在日オーストラリア・ニュージーランド商工会議所はオーストラリアからサリー・イングルトン監督を招き、ドキュメンタリー映画『シード・ハンター』の上映会を開催いたします。上映終了後に監督とのQ&Aセッション、及びレセプションが予定されています。

イングルトン監督は過去25年間、特に科学、芸術、環境、及び社会問題をテーマにしたドキュメンタリー作品の製作、監督で数多くの賞を受け、またBBC、チャンネル4、ディスカバリー、ABCテレビ、SBSテレビ、ナショナル・ジオグラフィック、NHKなどの番組も制作しています。今回上映する 『シード・ハンター』は、古代から受け継がれる穀物の種を探すために世界中を旅するオーストラリアの科学者ケン・ストリート博士の活動を追います。そのような種がもつ遺伝子は気候変動の影響から私たちの食物を救う可能性を秘めているのです。

なお、この作品は2008年の公開以降世界中で賞を受けており、アースビジョン第17回地球環境映像祭最優秀賞をはじめ、Roscar Awards Wild Talk AfricaでBest Conservation and Environment Film、世界自然・野生生物映画祭で環境教育賞、オーストラリアTeachers of Media AwardsではBest Science Technology and Environment 等を受賞しています。過去にも『濁りゆく海—グレートバリアリーフの生と死』でアース・ビジョン第12回地球環境映画祭、及び世界自然・野生生物映画祭での受賞を果たしています。

 

Sue Healey『As You Take Time -時と共に-』

2009年11月27日-29日
振付家 Sue Healeyによる映像インスタレーションとダンスパフォーマンス。 日本人は時間についてどう考えるのか? オーストラリア独特の時間の把握の仕方はあるのか? スピードが支配する現代で、ますます加速して行く生活のペースに我々はいかに対応するのか? 本作品は、時間の経過を象るリズムと慣習に焦点をあてながら「時」に対する感覚を表現した映像インスタレーションとダンスパフォーマンス。この機会にぜひ「時」を体感してみてください。

 

医学と芸術展: 生命と愛の未来を探る

2009年11月28日-2010年2月28日
この冬、六本木ヒルズの森美術館で開かれる大型企画展「医学と芸術展」にオーストラリアからそれぞれの分野の最先端をいくアーティスト3名が参加します。

太古の昔から、人は自らの身体のメカニズムを探求し、医学として情報を蓄積し発展させてきました。また近年、アートの分野では "バーチャルな世界"と"現実"との結節点である「身体」が、表現の主要 な舞台として注目を浴びています。そしてこの2つの分野の最先端では現在様々なコラボレーションが行われ、まるでSFの世界のようなアート作品の数々が日々生まれています。この展覧会では、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロの解剖図から、アンディ・ウォーホールやヤン・ファーブルなどの現代美術作品までを取りそろえ、人間の生と死の意味をいま一度問い直そうと試みます。

オーストラリアからは、生命倫理をテーマとした幅広い作品で有名なパトリシア・ピッチニーニ、自らを実験台として最先端のテクノロジーと身体の融合に挑戦し続けるパフォーマンス・アーティストのステラーク、そして組織培養技術をそのままアート表現として利用し、賛否両論の大議論を巻き起こしている Tissue Culture and Art Project (TC&A) の作品が紹介されます。なおステラークとTC&Aのオロン・カッツは来日し、アーティストトークやトークセッション等へも出演予定です。

人間であれば誰にとっても身近な問題・話題といえる「身体」と「医学」。アートの世界が探求し続けているその未来像とはいったいどのようなものなのか。この冬、東京を代表する美術展として開かれる「医学と芸術展」、どうぞお見逃しなく。

 

ステラーク / オロン・カッツ 特別講義 at 多摩美術大学

2009年11月30日
両氏が取り組んでいる「未来の身体・生命の未来」について、刺激的な議論が期待されます。

 

SymbioticA: 組織・細胞工学を用いたアートの可能性

2009年12月3日
バイオメディア・アーティスト、オロン・カッツ氏を迎え、早稲田大学先端生命医科学センターにてセミナーが開催されます。

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