Australian Embassy Tokyo
在日オーストラリア大使館

第3回オーストラリア映画上映会『誓い』開催

「Australian Film Night, Vol. 3  第3回オーストラリア映画上映会」が4月22日に開催されました。

オーストラリア映画上映会は、広くオーストラリアの文化を知ってほしいという趣旨でオーストラリア大使館が主催しているイベントです。第3回となった今回はオーストラリア人のピーター・ウィアー監督による、『誓い』(1981年)が上映・配信されました。

この作品は、オーストラリアの国民意識を目覚めさせたガリポリの戦いで、戦争に運命を翻弄される2人の若者の友情を描いた傑作です。

映画上映の前に、グレッグ・ラルフ政務担当公使よりこの作品とその時代背景などが説明され、

「映画で取り上げられているガリポリの戦いは、私の祖父も従軍し、私を含め多くのオーストラリア人にとって特別な繋がりがあります」

と個人の思いも述べました。

(グレッグ・ラルフ政務担当公使 写真:在日オーストラリア大使館)

上映後、スペシャルゲストの国際政治学者の藤原帰一先生、防衛省防衛研究所の小野圭司先生、及び大使館空軍駐在武官のアリソン・スパークを迎え、アフタートークが行われました。

オーストラリアをはじめとした多くの映画に精通しておられる藤原帰一先生からは、

「この『誓い』という作品は、とてもオリジナルな作品。望遠レンズを使った独特な画面の作り方、光に敏感なウィアー監督による見事な表現が見られます。オーストラリアにとってのガリポリは、国民の独立の物語です。(今回は)それぞれの社会で共有されている戦争の記憶の意味を勉強する機会となりました。」

という評がありました。

また小野圭司先生は、

「日本人は第二次世界大戦で、国民全体として戦争の虚しさ、悲惨さを感じ、そのことを決して忘れることがない、その上で戦争や軍事を考える必要があることを改めて感じさせてくれた映画。なお映画には出てこないが、主人公の2人も含めオーストラリア軍の派遣部隊を載せた輸送船は日本海軍が護衛しており、日豪防衛協力の先駆けであった。」

と語りました。

(左から:徳仁美(広報文化部)、藤原帰一先生、小野圭司先生、アリソン・スパーク空軍駐在武官 写真:在日オーストラリア大使館)

大使館空軍駐在武官のアリソン・スパークは、

「ガリポリの戦いは、独立国家としてのオーストラリアを象徴するような戦いであり、オーストラリアにとって大きな意味を持ちます。」

「子どもの頃はANZACデーの式典をよく理解できていませんでしたが、オーストラリアとニュージーランドの兵士によって、今では人々が自由を手に入れたことを理解しています。」

述べました。

(左から:小野圭司先生、藤原帰一先生、グレッグ・ラルフ政務担当公使、アリソン・スパーク空軍駐在武官 写真:在日オーストラリア大使館)

今回のイベントは、オーストラリア国民が戦争や紛争において命を落とした兵士を追悼する4月25日のANZACデーを前に行われました。