Australian Embassy Tokyo
在日オーストラリア大使館

水素サプライチェーン事業に豪州政府が資金を援助

2018年04月12日

 

マルコム・ターンブル首相は4月12日、以下の声明を発表した。

 

ビクトリア州ラトローブバレーの企業と家族により多くの機会を提供するために、ターンブル政権は400の雇用を創出し、新たなエネルギー産業を構築する。

これらは現在生み出されている、真の雇用である。

世界初の水素サプライチェーン(HESC)構築実証事業に対する5000万豪ドルの投資は、新たな世界市場を開拓すると共に、地元の経済を拡大し、より多くの雇用を創出する。

エネルギー資源の多様化を引き続き進める中、実証事業では褐炭から水素を製造する。

ターンブル政権はオーストラリアの都市だけでなく、地域において、より多くの雇用を創出する経済的環境を作り出している。

本事業により、直接、間接的に400を超える雇用が生み出される。エネルギー資源の多様化を図る、水素サプライチェーンの商用化に向けた初のステップとなる。

水素エネルギーは現在、自動車や発電、産業用に使われている。

4年間にわたる連邦・州政府・産業界共同のプロジェクトは、ラトローブバレーに豊富に存在する褐炭から、日本に輸出する水素を生産する技術の実現性を証明するものである。

HESC事業の商用化は、オーストラリアに80億豪ドル以上の経済効果をもたらす可能性を秘めている。

これはまた、ラトローブバレーやヘイスティングス港に新たな産業や雇用を生み出すだけにとどまらない。水素協議会が2050年に世界で2兆5000億豪ドルに上ると試算する未来の水素産業のために、地元の技能を育成するものでもある。

経済の移行が進む中で、今日や将来の雇用をもたらす新しい産業を生み出さなくてはならない。

オーストラリア連邦科学産業技術機関(CSIRO)に所属する水素やエネルギーの専門家たちは、炭素回収・貯蔵を含め、実証事業による科学知識交流の最大化を図るため、日本の担当者と協力することになる。

水素の生産や輸出において、豊富な埋蔵量や、優れた資源開発用のインフラ、および技術を持つオーストラリアは、世界をリードできる立場にある。

本事業は、エネルギー・資源分野における長期にわたる日豪貿易関係を土台としている。

このフィージビリティ実証事業に対する投資は、将来の経済的繁栄と安全に対する手付金のようのものである。私たちは今、重要で画期的な4年間の取り組みに着手したばかりである。

世界初のHESC実証事業は、活用する科学技術の最新性、オーストラリア産業にとっての水素生産や輸出の可能性、創出される雇用といった点において重要である。

オーストラリア連邦政府とビクトリア州政府は合わせて1億豪ドルを、川崎重工業を始めとする日本のコンソーシアムと日本政府が資金を賄う4億9600万豪ドル相当の実証事業に提供している。

本事業は川崎重工業や電源開発、岩谷産業、丸紅、AGLといった日豪企業による大型コンソーシアムが手がけている。