Australian Embassy Tokyo
在日オーストラリア大使館

日豪交流を強化した「オーストラリア now」、いよいよ閉幕へ

2018年11月9日

のべ8か月間に及んだ、日本におけるオーストラリアの祭典「オーストラリア now」が、フィナーレとなる世界的に評価の高いバンガラ・ダンス・シアターの公演(11月9−10日)を最後に、ついに閉幕となります。オーストラリア関連イベントとして、この10年間で最大規模となったこの祭典では、40に及ぶ数の主要プログラムが実施されました。

オーストラリア各地で公演が完売となっているバンガラ・ダンス・シアターにとっては、13年ぶりの来日となります。彼らは今回、30年間に及ぶ活動の集大成ともいえる作品「I.B.I.S」と「Spirit 2018」を上演し、オーストラリアが誇る先住民文化を力強いダンスと共に称えます。

4月に始まった「オーストラリア now」には、40万人を超える日本の方々が参加しました。プログラムの中心となったのは、オーストラリア室内管弦楽団(ACO)特別公演、先住民や建築関連の主要展示会などで、これらに並行して、オーストラリアの著名な科学者や演奏家、研究者、企業家、スポーツ関係者、アーティストなどの来日が相次ぎました。

また、俳優の柴俊夫氏や真野響子氏、別所哲也氏、ラジオDJのクリス・グレン氏、エッセイストの小島慶子氏、アーティストのサラ・オレイン氏といった6名の日豪の有名人が、親善大使として、「オーストラリア now」の紹介にご協力下さいました。これにより、イノベーションやライフスタイル、創造性といったオーストラリアならではの側面が、様々な形で取り上げられました。

「オーストラリア now」の立ち上げは、2018年1月、当時のマルコム・ターンブル首相が来日した際に発表されました。このプログラムにおける個々のイベント数は210を超え、28都道府県で実施されました。これらは日豪間における既存のつながりを強化すると共に、新しい絆を生み出しました。

「オーストラリア政府は、主要広報文化プログラムである『オーストラリア now』を通じ、わが国のイノベーションやクリエイティブ産業、ライフスタイルを推進している。双方向の学びや協力活動を強化することで、『オーストラリア now』は日本との戦略的、経済的関係の強化を補完する役割を果たしている。」と、マリース・ペイン外務大臣は語っています。

「『オーストラリア now』は、日本において、わが国にとって最も長期に及ぶ日本との関係に新たな刺激を与えると共に、新しい会話を生み出すきっかけを与えた。日豪関係のあらゆる異なる側面をひとつにまとめるべく、財界やプログラムのパートナーの皆様と力を合わせることにより、『オーストラリア now』はすでに安定や友情の模範となっている関係に、新たな弾みを与えるものである。」と、リチャード・コート駐日大使は述べています。

「『オーストラリア now』が生み出した勢いを活かし、2019年のG20、ラグビー・ワールド・カップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの日本開催、およびそれ以降において、日本を強く支援していく機会を心待ちにしている。」

日本では、オーストラリア独自の先住民文化に対する関心が高く、「オーストラリア now」においても、ヨータ・ヨータ部族出身のソプラノ歌手であるデボラ・チータム氏や、俳優のジャック・チャールズ氏とイルビジェッリ・シアター・カンパニーの面々が来日しました。また、「イダキ:ディジュリドゥ、オーストラリア大地の音展」の日本開催に合わせて、ディジュリドゥ奏者のジャルー・グルウィウィ氏が日本を訪れました。さらに「オーストラリア now」のフィナーレとして、バンガラ・ダンス・シアターが、アジアを代表するコンテンポラリー・ダンス発表の場として知られる、彩の国さいたま芸術劇場で公演を行います。

「オーストラリア now」はまた、日豪が共通の課題にいかに取り組むべきかについて、話し合うきっかけを提供しました。こうした対話を行うために、アラン・フィンケル首席科学官や、トニー・マハール全国農業者連盟会長、ユニバーシティ・オーストラリア、全国保健医療協議会、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)、AusBiotech協会、クエスタコン、オーストラリアの各大学の関係者などが来日しました。バンガラと共に「オーストラリア now」のフィナーレを飾る、5週間に及ぶクエスタコンの2018サイエンス・サーカス巡回展は11月11日、高知県にて展示を終了します。

「オーストラリア now」に参加して下さった方々は、ライフセービングやラグビー交流、オーストラリアのフード&ワイン・キャンペーン、人気の高い短編映画祭を通じ、世界的に知られるオーストラリアのライフスタイルを直に体験しました。オーストラリアン・ショートフィルム・シアター は、森ビルの六本木ヒルズにて、Flickerfestと在日オーストラリア・ニュージーランド商工会議所の協力を得て、開催されました。森ビルでは他にも、「ユニヴァーサル・プリンシプルズ:環境的課題をリセットするオーストラリア建築の試み」と題した展覧会が開かれ、環境に責任を持ち、資源や周囲の環境を考慮した12の独自の建築プロジェクトが紹介されました。

また、タスマニア州のマチュア・アーティスト・ダンス・エクスペリエンスや、ビクトリア州のバック・トゥ・バック・シアター、リビー・ライオンズ職場ジェンダー平等庁長官の来日を通じ、オーストラリアがいかに年齢や障がい、ジェンダーなどの差別の問題に取り組んでいるのかが取り上げられました。

オーストラリアの高い創造性は、オーストラリア室内管弦楽団(ACO)公演やアーティストのヘザー・B・スワンン氏、テラピン・パペット・シアター、舞台「ニューオーナー−幸せを探して」、恐竜どうぶつ園、ホセイン&アンジェラ・ヴァラマネシュ両氏、音楽家のポール・グラボウスキー氏、ヘンリー・ジョック・ウォーカー氏、ダンス・カンパニーLucy Guerin Inc.、作家のヘレン・ガーナ—氏、町田市立国際版画美術館で開催中(11月18日まで)の「ヨルク・シュマイサー展・終わりなき旅」などを通じて、日本に伝えられました。

「オーストラリア now」のプラチナ・パートナーであるリオ ティントの、クリス・ソールズベリー鉄鉱石部門チーフエグゼクティブ兼日本担当役員はこのように述べています。「リオ ティントは、日豪両国の長年のパートナーとして、『オーストラリア now』を支援できたことを光栄に思う。西オーストラリア州におけるリオ ティントの鉄鉱山の開発は、1960年代に日本からの投資に支えられ、そして長年のパートナーシップを通じて生産された金属が、日本や人類の発展を支えてきた。現在、オーストラリアにある当社の鉱山そして金属生産現場からは、鉄鉱石だけでなく、アルミニウム、原塩、ウラン、そしてダイヤモンドまでもが日本へ供給されている。」

「『オーストラリア now』は、両国のパートナーシップやオーストラリアの革新的な精神、そして日本に対する重大な貢献を示す、従来とはまた違った刺激的な方法となった。そして、日本の人々がオーストラリアの文化、創造性、ライフスタイル、スポーツなどのさまざまな面を体験する絶好の機会となったことであろう。 日本でのこの素晴らしい『オーストラリア now』に関し、オーストラリア政府へ祝辞を述べたいと思う。」

同じく「オーストラリア now」のプラチナ・パートナーである、ウッドサイド・ジャパンのカントリー・マネージャー、ジョージ・ギルボイ氏は、以下のように述べています。「『オーストラリア now』はオーストラリアの芸術から、科学や技術、医学でのリーダーシップに至るすべてを紹介している点で、素晴らしいものである。この豊かなプログラムは伝統を重視する一方で、日豪がいかにイノベーションを支持しているのかについても取り上げてきた。ウッドサイドは今回スポンサーになった点を、大変誇りに思う。」

「オーストラリア now」は外務貿易省が資金を提供し、ウッドサイドやリオ ティント、BHP、ANA、日本航空、ニュー・サウス・ウェールズ州政府、ビクトリア州政府、カンタス航空、三井住友銀行・SMBC日興証券、オージービーフ、オーストラリア政府観光局、JTB、国際石油開発帝石、西オーストラリア州政府、豪日交流基金といった企業パートナーが協賛しています。このプログラムは、115を超えるイベント・パートナーとの協力により企画されました。

「オーストラリア now」はオーストラリア政府が運営しており、毎年特定の国で現代のオーストラリアを紹介しています。日本に続き、本プログラムは2019年、ASEAN諸国で開催されます。

「オーストラリア now 2018」全体の詳細については、こちらのホームページをご覧下さい。

https://australianow2018.com/