2018年11月08日
スコット・モリソン首相とマリース・ペイン外務大臣、クリストファー・パイン国防大臣は、以下の声明を共同で発表した。
オーストラリアは太平洋諸国における関与を強化し、新しい次元へと高める。
安全保障や経済、外交、人的交流についての新たな一連の措置は、太平洋諸島地域におけるわが国の強固なパートナーシップをさらに強化する。
季節労働者プログラムから、太平洋諸国雇用スキーム、ロンブラム海軍基地への支援、新たな太平洋巡視船プログラムに至るまで、オーストラリアは、太平洋諸島地域の安全と繁栄のための成果を実現させている。
オーストラリアには、太平洋の隣国と協力してきた長い歴史がある。戦略的に安心でき、経済的に安定した、また政治的主権が保証された太平洋地域を築くために、太平洋諸島のパートナー国との協力を願っている。
2017年外交政策白書が述べるように、太平洋諸島地域の安定と経済的発展は、オーストラリアには根本的に重要であり、いかなる国家も独力で課題に立ち向かうことはできない。
国防や治安、国境管理における、地域にまたがる協力の長い歴史を土台として、また2018年太平洋諸島フォーラムで、各国首脳が採択したボエ宣言に沿う形で、オーストラリアは太平洋の隣国との安全保障協力を強化する。
太平洋諸島地域の訓練や情報共有の格差に対処する、オーストラリア太平洋セキュリティ・カレッジ、および融合センターに加え、オーストラリア治安管理協会内に発足した太平洋学部では、太平洋諸島地域における次世代の警察・治安指導者に訓練を提供する。
オーストラリア国防軍は、新たな太平洋機動訓練チームの設立など、我々が直面する共通の安全保障上の課題に共に対処するため、相互運用性を構築すべくパートナー国と協力を行う。
オーストラリア政府は、人道的支援・対応を含め、太平洋諸島地域のパートナー国に支援を提供する専用の船舶を確保する手筈を整える。
わが国はすでに最近、ブラックロック平和維持・人道支援・災害救助キャンプを治安・平和維持訓練や配属前の準備を行う地域の拠点へと再開発する点で、フィジーと合意している。
オーストラリアは太平洋諸国と協議の上、わが国で太平洋治安部隊代表合同会議を毎年開催する。こうした会合は、主要な治安担当者が、全ての太平洋諸国にとって重要な地域の安全保障問題を議論する力強い場となる。
わが国はまた、交流を強化し、地域の安全保障問題への理解を深めるために、若手や経験豊富な警察、文民、軍事指導者による交流のためのネットワークを構築する。
太平洋諸国における経済インフラの改善は、こうした国々に留まらず、オーストラリアを含めた地域全体のより力強い成長に貢献する。生産的、持続的な投資は、双方に利益をもたらす。
オーストラリア政府は、太平洋諸島地域のためにオーストラリア・インフラ融資ファシリティを設立する。この20億豪ドル規模のインフラ措置は、太平洋諸国や東ティモールのインフラ整備に対するオーストラリアの支援を著しく高めるものである。
わが国は同時に、オーストラリアの輸出信用機関である輸出金融保険公社(EFIC)に、資金10億豪ドルを要請に応じて追加で提供する。こうした動きは、オーストラリアに広範な国益をもたらす地域への投資を支援する、より柔軟な新しいインフラ融資力を補完する。
わが国と太平洋諸国を結ぶ絆は、安全保障や経済分野の協力に留まらない。
オーストラリアは、外交ネットワークの拡大を図り、太平洋諸島フォーラム全ての参加国に存在を確保する。
共有するスポーツへの愛着を土台として、オーストラリアと太平洋諸島地域のスポーツ交流を強化すべく、わが国はオーストラリア太平洋スポーツ交流プログラムと題した、新たな助成金プログラムに資金を提供する。また、太平洋諸国の治安部隊を対象とした女性ラグビーセブン大会の成功を基に、軍隊におけるスポーツの交流拡大に努める。
さらに、太平洋諸島地域で質の高いオーストラリアの番組が観られるよう、わが国の民間の報道機関と協力していく。
太平洋諸島地域に対するオーストラリアのコミットメントは、力強く持続的である。これらの措置は、わが国が太平洋諸島フォーラム等を通じ、太平洋諸島のパートナー国の声に耳を傾けると共に、緊密な協力を行っている点を示すものである。
こうした新しい措置により、オーストラリアの太平洋諸国との関係は、引き続き強化されていくであろう。