2023年9月18日
共同訓練「武士道ガーディアン」実施に合わせて航空自衛隊小松基地で開催された、女性・平和・安全保障ネットワーキングイベントで話すローズマリー・コレリー空軍大尉。
サミュエル・ミラー空上長による写真撮影。
日本で実施された空中戦の日豪共同訓練に合わせて、航空自衛隊とオーストラリア空軍の要員が、ジェンダー、平和、安全保障(GPS)に対する双方のアプローチについて学ぶ機会が設けられました。
武士道ガーディアンの実施地である航空自衛隊小松基地で、平和構築と意思決定に対する女性の参画促進に関して、両国に共通のテーマを双方の要員がネットワーキングを行いながら、対話を行いました。
航空自衛隊の石引大吾空将補など、多くの講演者がジェンダー平等に向けて組織が実現してきた重要な改善点について、紹介しました。
石引空将補は、「航空自衛隊員の大半は、GPSになじみがないでしょう。ただし、女性航空自衛官の50年にわたる歴史の中で、GPSのビジョンと活動に合致するかたちで、女性の参画を促進しようと航空自衛隊は取り組んできました」と述べました。
女性自衛官は現在、航空自衛隊員の9%ですが、2030年までにこの比率を15%にまで高める目標が設定されています。
GPSには、「参画」「予防」「保護」「人道・復興支援」という4本の柱が設定されています。武装紛争時の性的暴力の増加に光をあて、平和構築における女性の重要な役割を認識するものです。
豪軍ジェンダー担当官である、ローズマリー・コレリー空軍大尉が講演時に述べたように、航空自衛隊とオーストラリア空軍の両部隊による同イベントへの参加は、GPSにとって大きな成果となりました。
コレリー空軍大尉は、「男性の活躍も応援する必要があると、私は強く信じています。男性の育児休暇の改善や、柔軟な勤務時間制度を男性が利用でき、その活用が男性に受け入れられることが、男性の仕事もプライベートも向上することにつながるでしょう」と語りました。
このネットワーキングイベントを通じて、イベント参加者は自衛隊・国防軍の同僚とも、さまざまな役職における参画率の向上など、ジェンダーにもとづく諸問題について議論することができました。
航空自衛隊の渡邉圭子二等空佐は、平和な国に暮らす日豪の国民はとても幸運だと語り、「人権が尊重されず、安全な場所で眠ることもできない女性や少女たちが苦しんでいる国が数多くあります。あらゆる人々のための平和と安全保障に向けて、男女が力を合わせて取り組めることを心から願っています」と述べました。
著者:クレア・キャンベル一等空尉