Australian Embassy Tokyo
在日オーストラリア大使館

マデレン・キング 豪州政府資源・豪北部大臣: インド太平洋エネルギー安全保障フォーラム 閣僚本会議講演

マデレン・キング

豪州政府資源・豪北部大臣

2026年3月15日

東京

 

皆さまおはようございます。

インド太平洋エネルギー安全保障フォーラムで、本日講演の依頼を下さった主催者の皆様に感謝申し上げます。

まず始めに申し上げますが、最近、高市早苗首相が再任されました。この点は日本にとって重要な出来事であり、オーストラリアより高市首相および政権の前途を祝福申し上げます。

時折非公式にNARA条約と呼ばれる、日豪友好協力基本条約の署名50周年を祝う本年、日本に戻ってこられたのを嬉しく思います。

両国にとって、こうした祝福の機会は非常に重要です。

この条約が、以前にもあった中東の地政学的不安定さや深刻な世界的エネルギー危機を背景に、1970年代後半に誕生した事実を、本日の会合で強調することには意味があります。

日豪は両国経済の相互依存性を認識し、お互いへの信頼に根ざしたパートナーシップを構築する決意を固めました。

両国政府は今日、今後50年間の繁栄と経済安全保障の基盤を築くための緊密な協力を行っています。

また個人的にも、東京に戻れたことを喜んでいます。東京は素晴らしい世界的な都市であり、その多くは、日豪間の鉄鉱石や石炭、液化天然ガス(LNG)貿易を通じた長期的関係により形作られています。

現在の中東情勢を考えますと、本フォーラムが新たな重要性や緊急性を有しているのが分かります。

本日の私のメッセージは明快です。

オーストラリアはインド太平洋諸国に対し、長期的で信頼できる、さらに最も重要な点として、安定したエネルギーや資源のパートナーであり続けます。

日本やシンガポール、韓国、地域全体が世界的な経済の安定や安全のために必要とするエネルギーの供給に、わが国は強い決意でコミットしています。

中東における現在の紛争が露呈したのは、世界のエネルギー・サプライチェーンの脆弱さでした。

オーストラリアは半世紀を優に超える期間、エネルギーの信頼できる供給元であり続けてきました。

わが国による安定した、頼りになるエネルギーの供給は、この地域が長きにわたり謳歌している平和や繁栄の中枢に位置してきました。

ここ日本でも、オーストラリアのエネルギー資源は毎日、約8時間相当の電力源となっています。

わが国は、これまで一度もLNGの日本出荷を怠ったことがありません。

私が信頼できるという言い方をするのは、このためです。

しかし、信頼できるエネルギーの供給を続けるためには、オーストラリアには今後も海外からの投資が欠かせません。

わが国の資源産業を構築したのは、本フォーラムに象徴される日本や他国からの信頼できる投資であり、こうしたパートナーシップは今や、かつてない程重要になっています。

ここで少しの間、わが国の国内ガス供給や、この点がいかにわが国のきわめて重要な輸出へのコミットメントと関わり合うのかについて、オーストラリア政府の政策をお伝えします。

わが国の長期的なエネルギー安全保障の確立は、オーストラリア政府の優先事項です。自国のエネルギー面でのニーズを満たすことは、本日この場にいるすべての政府の優先事項です。

オーストラリアはまた、地域の隣国へのエネルギー供給支援を通じて、地域の安全と安定に責任を果たすことを大変重視しています。

わが国には豊富な量のガスがあり、ガス生産者は中東危機による外的ショックにも関わらず、国内市場への供給を続けています。

この場にいるすべての国が、自国内のエネルギー安全保障の確立を目指していますが、これはオーストラリアでも必須です。

オーストラリア政府はこの点から、国内のガス需要を満たすための政策を実施しています。

ですがこの場で断言します。わが国は投資に悪影響を及ぼしたり、既存の契約を変更したり、域内の他国のエネルギー安全保障を危険にさらすようなことは一切行いません。

オーストラリアは、重要な国内のガス供給元であるLNG産業の発展が、この場にいる優れた国々の支援なしには実現しなかったのを自覚しています。

わが国のエネルギーがこの地域の長期的な安全と繁栄に不可欠だったのと同じように、わが国の重要鉱物とレアアースは、今後重要になるでしょう。

これらの鉱物とレアアースは、バッテリーや他の低炭素技術のみならず、防衛産業にとって欠かせない原材料です。

例えば、現在中東でドローンやミサイルから民間人を守るのに使われている技術がそうです。

信頼できるエネルギーの供給元となったのと同様、オーストラリアは重要鉱物やレアアースにおいても、信頼の置ける長期的な供給元となる独自の立場にあります。

わが国には恵まれた地質や、世界で最も進んだ採掘資源産業が存在するほか、信頼できる資源の供給国としての比類なき実績があります。

加工・処理部門などで協力したり、共同でわが国の産業に投資することで、重要鉱物やレアアースの信頼できる供給を確かなものにできます。

この点は、わが国の鉱山企業ライナスレアアースを見れば明らかです。

日本はレアアース輸出禁止への対応策としてライナスに投資し、10年以上にわたって同社を支援してきました。

忍耐と信頼の資金提供は2012年に始まり、ライナスは今では中国以外で最大のレアアース生産企業となっています。

この投資がもたらしたのは、供給の安定です。

ライナスと日豪レアアース間の精製されたレアアース長期契約の最低価格が、最近発表されましたが、これは代替のサプライチェーンを未来に向けて立ち上げるものです。

もう一つの例が、日米豪によるアルコア双日ガリウムプロジェクトへの投資の実現です。

日米豪は中国のガリウム輸出禁止への対抗策で協力し、2025年正式に本プロジェクトの立ち上げを発表しました。

この類のさらなる協調的投資の推進や育成が欠かせません。

オーストラリア政府の重要鉱物戦略は、重要鉱物やレアアースへのさらなる投資を促します。

わが国は重要鉱物戦略備蓄制度の立ち上げを約束しました。本制度を通じて、強い立場から貿易や市場の中断・破壊への対処が可能になります。

もちろん、各国がネットゼロ目標への移行を進める中、オーストラリアが生産する主要商品の多くは高い需要を維持するでしょう。

わが国は世界の鉄鉱石輸出の50ペーセント以上を占めており、貿易相手国の大規模な鉄鉱石需要を満たせる唯一の供給元となっています。

こうした貿易相手国は、今後も将来にわたって燃料炭、原料炭を必要としていく点を明らかにしています。

私たちは皆、お互いを補える長所を備えています。だからこそ協働が大切です。

私たちの資源・エネルギー関係は強固な基盤を生み出しました。そしてこうした基盤をより明るい、より繁栄する未来のために強化すべき時が来ています。

ご静聴ありがとうございました。この後の本日のプログラムが楽しみです。

ありがとうございます。