Australian Embassy Tokyo
在日オーストラリア大使館

日豪レジリエンス・イベント記念スピーチ:マデレン・キング 資源・豪北部大臣

2026年7月1日

オーストラリア国会議事堂ミューラルホール、キャンベラ

(冒頭の謝意は省略)

日豪友好協力基本条約

日豪は半世紀少し前、共に腰を下ろし、協働に取り組みました。

奈良条約として知られる日豪友好協力基本条約は、日豪の国益の共有や互いへの敬意、未来を共に作るという共通の願いを基盤としていました。

フレーザー首相と三木首相による署名から半世紀の間、両国はインド太平洋地域に最も成功した二国間パートナーシップを構築しました。

私たちは民主主義や法の支配、平和や安全へのコミットメントを共有しています。

日豪関係は広範囲に及んでおり、強固で、信頼に根ざしています。

その友好関係は、貿易や投資、防衛、安全保障、エネルギー・資源、科学、文化、人的交流をベースにしています。

この点は重要です。というのも、私たちは現在、より競争的で不確実な世界に直面しているからです。

サプライチェーンは変化し、戦略的リスクが足元に忍び寄り、想定外のショックが国際市場を分断しています。

日豪は本条約の署名から半世紀続いた相対的な安定を、当然のものと扱うことはできません。

このため、私たちは代わりにこの記念の節目を、両国の関係を格上げし、次の半世紀のためにより強固にするために活用しています。

貿易・投資・エネルギー

まず、日豪関係の基盤といえる経済関係からご説明します。

オーストラリアにとり、日本は常に最大の貿易パートナーの一国であり続けています。

2025年にはわが国の世界第3位の貿易相手国であり、往復貿易の総額は975億豪ドルを記録しました。

エネルギー分野は当初から、この二国間関係を支えてきました。

オーストラリアは日本の原料炭、鉄鉱石の半分以上を供給しています。

これは数十年にわたり、両国をより強固にした構造的な関係です。

わが国は現在も今後も、ガスや石炭における信頼できる対日供給国であり続けます。

液化天然ガス(LNG)の信頼できるパートナーでありたいという決意は、現政権が関連するあらゆる対話の場で明確にしてきた戦略的な立場です。

2024年5月に発表した未来のガス戦略において、わが国はこの地域にとって2050年及びそれ以降も、信頼できるエネルギーの供給元であり続ける点を約束しています。

両国が誓っているネットゼロへの移行には、天然ガスによる支援が欠かせないためです。

レジリエンス

ご友人の皆様、私たちは本日、日豪パートナーシップの強靭性について話します。

インド太平洋地域において、日豪が共有する国益は最も重要です。エネルギー安全保障は最も大切な優先事項です。

わが国はこうしたエネルギー安全保障を提供していますが、日本や他国からの大きな投資を通じてそのための支援を受けています。

単一で日本最大の海外投資プロジェクトは、ダーウィンにおけるINPEXのイクシスガス田とLNG設備であり、約800億豪ドル規模である点を改めてお伝えします。

本プロジェクトは、レジリエンスと安全を日本に提供します。

日本と同様にわが国でも、消費者やこの場にいる生産者にとってのガス供給におけるレジリエンスが必要です。

オーストラリアの消費者のためになる強靭な国内ガス市場や、持続的な法的枠組みが必要です。

現在はありませんが、現政権はこうした点の確立にコミットしています。

アルバニージ—政権は、わが国の家庭や企業が公平な価格で、自国のガスを入手できるようにしたいと決意しています。

こうした詳細な制度設計についての協議プロセスに関与して下さった、多くの皆様全員に感謝申し上げます。

サプライチェーンの分断

この数か月における世界的なサプライチェーンの分断を認めることなく、2026年のエネルギー安全保障は語れません。

インド太平洋地域にとってあまりに重要なエネルギー安全保障において、ガス輸出の継続を通じてわが国の役割を果たす点に、オーストラリアはコミットしています。

中東の事態は世界のエネルギー体制にとって、大きなストレステストになっています。

日豪がこうした課題への対処に迅速に協働できたことは、両国関係の力強さを示していたと思います。

高市首相による5月の訪豪は、歴史的な出来事でした。日本の首相とお会いできたのは名誉なことでした。

日豪は調整された迅速な対応のしくみを正式なものとする点に合意し、エネルギー安全保障についての歴史的な共同声明に署名しました。

この点はまた、両国が協力する際に何が達成できるのかを示すものでした。

重要鉱物

鉱業とエネルギーは、両国の現代的なパートナーシップの中核に絶えず位置してきました。

日本による資源やエネルギー需要は、わが国の優れた鉄鉱石・石炭輸出産業の発展を支えました。

ガス分野での日本の需要や投資は、わが国の現代的なLNG産業を、今日のような強力な輸出分野へと成長させてきました。

次は重要鉱物の番です。

日本の脱炭素化に必要な鉱物に関して、わが国は供給するのに最も適した立場にあります。

日本の先進的製造業や自動車部門、日本の装備品製造や国家安全保障の支援に欠かせない重要鉱物の供給に、わが国が最もふさわしいのと同様にです。

2022年10月に署名された日豪重要鉱物資源パートナーシップが、作業部会や共同出資、調整のメカニズムといった枠組みを作りました。

高市首相の訪豪時、両国政府は重要鉱物協力のさらなる格上げに共にコミットする点を発表しました。

これは、重要鉱物は今や両国の経済・国家安全保障関係の主要な柱のひとつであり、突発的なサプライチェーン脆弱性の問題に取り組むための戦略的プロジェクトへの調整された投資を促す存在であることを意味します。

私たちは、今後も協働に取り組みます。西オーストラリア州のアルコア双日ガリウム・プロジェクトでやったように、より安全で多様性、強靭性を持ったサプライチェーン構築のために日豪で、および他の同志国と共に投資を行っていきます。

これらは、長年かけて構築してきた信頼の配当のようなものです。

わが国の志は、原材料の輸出にとどまりません。

私たちはバリューチェーンを移動し、加工・製錬された鉱物の供給に取り組みたいと考えています。

この志は、両国にプラスになるものです。

オーストラリアにはより高い経済的価値、日本にはサプライチェーンの確実性と強靭性を提供します。

石炭や鉄鉱石、ガスの時と同様、日本からの投資や専門知識は加工部門を含め、わが国の重要鉱物プロジェクトの発展に欠かせません。

重要鉱物は両国共通の経済安全保障へのコミットメントという点で、より大きな枠組みの中に位置しています。

サプライチェーンの危機や分断に取り組む上で、日豪は自然なパートナーです。

両国は貿易や安全保障での整合性に支えられ、鉱業や加工業、先進的製造業にまたがって互いを補完し合える力を有しています。

両国にとっての脆弱性につながる依存を緩和するためのサプライチェーンの多様化に、日豪は関心を有しています。

高市、アルバニージ—両首相が5月に署名した経済安全保障協力や、防衛・安全保障協力強化についての二つの共同宣言は、こうしたリスクに対処すべく、日豪関係がいかに進化しているのかを示す最良の見本です。

もちろんこうした協力には、オーストラリア海軍のもがみ型フリゲート艦の受注に関する協働のあり方が含まれます。

最後に

50年前、日豪友好協力基本条約は簡単な、しかし重要な問いかけを行いました。それは、言語や文化、歴史が異なる二つの国が、永続的な何かを共に構築できるのかというものでした。

その答は明快でした。

日豪関係はこの地域において、最も安定した、生産性の高い、互いのためになる関係となっています。

政権の交代を乗り越え、経済的ショックを吸収し、地政学的な激動を乗り越え、そのたびに力強さを増しています。

私たちの今後の使命は、次の半世紀の礎を築くことです。レジリエンスや、民主主義、自由、開かれたルールに基づく秩序といった共通の信念に対して共有するコミットメントを土台としてです。

日豪友好協力基本条約は、原則としての友好関係の確立を行いました。

両国は以来、現実面で素晴らしい友情を構築しています。

ありがとうございました。