Australian Embassy Tokyo
在日オーストラリア大使館

オーストラリア・ハウス交流プログラム 長期滞在のアーティスト2名決定

2017年04月04日

 

オーストラリア出身のアーティストが住み込みで芸術作品の制作にあたる「オーストラリア・ハウス レジデンス プログラム 2017」(Australia House Residency Program 2017)の参加アーティスト2名が決定しましたので、お知らせいたします。オーストラリア大使館の一部助成を受けたプログラムで、芸術を介して地域に内在する価値を掘り起こし、地域再生に貢献することを目的としています。参加アーティストは今年6月と9月?10月に新潟県十日町市の「オーストラリア・ハウス」に滞在し、地域の人たちと交流しながらオーストラリアのアートを世界に発信します。

来日するのは、デザイナーのリアム・ムガヴィン(Liam Mugavin)氏(30歳)と、パフォーマンスアーティスト/ダンサーのジア-ウェイ・チュー(Jia-Wei Zhu)氏(30歳)の2名です。ビジュアル・アーティストやライター、研究者などあらゆる芸術分野の応募者86組の中から選定されました。

オーストラリアは、大地の芸術祭の「人間は自然に内包される」という理念に強く共感し、2000年の第1回以来毎回、芸術祭に参加してきました。その間、継続してきた越後妻有地域(新潟県十日町市・津南町)との交流の結晶として、2009年にオーストラリア・ハウスが誕生し、同じ年にレジデンス・プログラムも始まりました。アーティストの滞在は今回で9回目となります。

<アーティスト略歴 1>

氏名: Liam Mugavin / デザイナー “Studio Liam Mugavin” 代表

生年月日: 1986 年 5月 6日

プロフィール:

シドニーを拠点に家具や照明などのデザイン主に行う。また、昔からの工芸技術を現代のデザインに盛り込むことを 制作の趣旨としている。これまで、日本にも4年間滞在しており、その経験を、「間」の思想を背景に空間の使い方やデザインへ反映することを試みている。

滞在期間:2017年6月の3週間(予定)

活動の計画:

自然の中の人々の営みについて、 地域の方とのコミュニケーションを通して学び、この地域に伝わる文化・素材などを盛り込み、彫刻あるいはインスタレーション作品の制作を行う予定。

<アーティスト略歴 2>

氏名: Jia-Wei Zhu / パフォーマンスアーティスト・ダンサー

生年月日: 1987 年3 月2 日

プロフィール:

ダンスといった身体表現だけでなく、文化人類学やデジタルメディアなどのバックグラウンドを持ち、ダンスと映像を組み合わせた作品を発表するなど、それらを複合的に取り込んだ表現を行っている。これまで世界各地で作品制作を行っており、その土地と身体を繋ぐ媒介としてダンスという表現を用い、作品への昇華を試みている。

滞在期間:2017年9月?10月の3週間(予定)

活動の計画:

ダンスのワークショップなどで地域とのコミュニケーションを図ることはもちろん、レジデンス滞在時の日常や、地域の方へのインタビューなどを映像で記録し、それらの素材を用いてマルチメディア作品を制作する予定。作品は今後、オーストラリアでの発表を予定。越後妻有とオーストラリアの継続した関係性を築いていく。

<オーストラリア・ハウスについて>

オーストラリアの建築家のデザインに基づき、日本の建築家、新潟県十日町市、地域住民、豪日交流基金をはじめとするオーストラリア政府などの力を結集して建設され、第5回「大地の芸術祭」の作品として2012年にオープン。日豪交流の拠点として、オーストラリア人アーティストが滞在したり、作品を発表したりしてきました。ギャラリーや宿泊施設が組み込まれた設計となっています。

初代のオーストラリア・ハウスは2009年、空き家となっていた伝統的な民家を改装して誕生しましたが、2011年3月12日の長野県北部地震によって全壊しました。2代目となる現在のオーストラリア・ハウスは、日本の震災から復興の象徴として、防災性や環境への配慮がなされた建物となりました。

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