Australian Embassy Tokyo
在日オーストラリア大使館

アンソニー・アルバニージ―首相 日米豪印首脳会合冒頭発言

2022年5月24日

 

まずは第31代オーストラリア首相への選出に際し、心からの祝福の言葉をいただき、感謝申し上げます。就任後初の任務として、ここ日本で、この重要な日米豪印(クアッド)首脳会合に出席することを光栄に思います。

本日の会合にあたり、クアッドがこれまで達成してきた内容を確認したいと思います。クアッドは自由で開かれた、強靭なインド太平洋地域の実現のために共に立ち上がると共に、気候変動や地域の安全保障など、現代の最も大きな課題に対処すべく協力を行ってきました。

わが政権は、貴国との協働にコミットしています。また、クアッドにコミットしています。オーストラリア新政権の優先事項は、クアッドのアジェンダと整合性があります。これは気候変動に対する行動や、経済安全保障及びサイバーセキュリティ、エネルギー安全保障、環境及び厚生面での安全の向上を通じた、より強くて回復力の高いインド太平洋地域の実現などです。私たちの協力は、共有する価値観を土台としています。同時に代表制民主主義や法の支配、平和に暮らす権利へのコミットメントを意味します。

私たちは本日、今後の取り組みに目を向けます。インド太平洋地域が変容する中、より不確実な世界がもたらす課題や脅威に対処し、こうした世界をより良くすると共に、主権を尊重する、より強固で協調的なインド太平洋地域を作り上げる上で、クアッドのパートナーシップはかつてない程必要となっています。

同地域は行動を共にし、模範を示すという点で、私たちに期待しています。わが政権はこうした理由により、気候変動において野心的な行動を取ると共に、地域のパートナー諸国がこの課題に立ち向かう際、新たな資金援助の活用を含め、こうした国々への支援を拡大します。気候変動は太平洋島嶼国における主要な経済、安全保障面での課題であるという認識の下、このような行動を取っていきます。わが政権において、オーストラリアは2030年までに43パーセント排出量削減という新たな目標を設定し、2050年までに排出量実質ゼロを目指します。

オーストラリアでは政権が交代しましたが、クアッドに対するコミットメントは変わっておらず、今後も同様でしょう。ASEANとその中心性へのコミットメントにも、変更はありません。また、東南アジアへの特使の任命や、今後4年間における対外援助の4億7,000万豪ドル増額など、わが政権はすでに東南アジアへのさらなる注視にコミットしています。これは、太平洋地域への5億豪ドル以上の支援拡大や、防衛・海洋協力の強化、パートナーシップ強化のための近隣関係の活用に加えてのものです。

太平洋地域の戦略的環境が新しい、より複雑な段階へと入る中、私たちはより多くのエネルギーと資源を地域の安全確保へと投入します。同じ志を持つ仲間である貴国と、今後も力を合わせると共に、皆で引き続きお互いのために立ち上がります。私たちの価値観や信念、地域の繁栄と安定の強化につながること、インド太平洋地域を故郷と呼ぶ全ての者にとって、確固たる利益になることのために、断固たる姿勢で臨みます。

このようなオーストラリアの緊密な友人と共にいること、また自由で開かれた、強靭なインド太平洋地域の実現を支える前向き、かつ具体的な方法を追求すべく、貴国と共にこうした次の段階を実行していくことを名誉に思います。本日の生産的な会合を出発点として、クアッドのパートナーシップを強化できるよう期待しています。ではモディ首相に代わりたいと思います。