Australian Embassy Tokyo
在日オーストラリア大使館

アボリジナル・アートと先住民文化

オーストラリアの先住民アボリジニは、現在も続く、世界最古の文化の一つを今に受け継いでいます。考古学的に、オーストラリアには6万年以上も前から人が住み続けていると言われています。またトレス海峡諸島民は、何千年も前に、オーストラリア北部クイーンズランド州の最先端とパプアニューギニアのあいだにある島々に、初めて定住したメラネシア系の先住民です。


オーストラリアの先住民文化は多岐にわたり、オーストラリアの国としてのアイデンティティやアートシーンに大きな影響を与え、国際的な関心が急速に高まっている分野です。オーストラリアの先住民アートは、オーストラリアの最も偉大な文化遺産であるといっても過言ではありません。古来とモダンの要素を併せ持つ先住民アートは、オーストラリア文化において深さと力強さを体現しています。

 

日本で近年行われたオーストラリアの先住民の芸術・文化の紹介には以下のものがあります。

 

2016-2017年 ワンロード:現代アボリジニ・アートの世界

オーストラリア西部の砂漠を縦断する1850 キロの一本道(ワン・ロード)があります。
世界最長の牧畜移動路とされるこの道は、先住民と西洋社会が交叉する場所でもありました。その場所で、オーストラリア国立博物館が現代のアボリジニ・アーティスト と行ったプロジェクトから生まれた作品が紹介される展覧会が2016年6月より大阪・国立民族学博物館を皮切りに、瀬戸内国際芸術祭開催中の香川県立ミュージアム、千葉県・市原湖畔美術館、そしてアイヌの故地・釧路市立美術館まで、1年をかけて日本列島各地を巡回します。

展覧会ウェブサイト
展覧会フェイスブック
展覧会トレイラー

Artists’ bush studio camp at Well 36 photograph by Tim Acker, 2007
 

2013年 「こどもと旅する魔法のダンス・カーペット ソルトブッシュ−アボリジニの神秘の木−」
 

ソルトブッシュとは、アボリジニの生活に大切な意味を持つ植物です。「ソルトブッシュ-アボリジニの神秘の木-」は、アボリジニ独自の文化の 保存と発展を目的に創られた、ビジュアル・アート、ダンス、音楽が楽しめる舞台作品です。
最初に子どもたちの前にあるのは真っ白なカーペットだけで、そこにアボリジニの絵が浮かび上がります。 砂漠や大河、魚や動物の模様がカラフルに映り、動きます。どこからともなく現れるダンサーに誘われると、や がて子どもたちはカーペットに足を踏み入れ、自由に動き回る絵に触り追いかけるうち、次々に移り変わる世界を旅します。
 太古の昔から現在、また、大洋の底かと思えば一転して都会の街へ。子どもたちは広大なオーストラリアの大地を肌に感じながら冒険し、時には人間に牙をむく自然と共に生きることの素晴らしさを知 ることになる作品です。

世界中で親しまれている、子どもたちを一瞬にして元気にしてしまう魔法のようなシアター・アート、「ソルトブッシュ-アボリジニの神秘の 木-」は、2013年に沖縄キムジナーフェスタ(国際児童青少年演劇フェスティバル)、びわ湖ホールなつフェスタ、神奈川芸術劇場で上演されました。

Culture Picture

 

2013年 ミュージカル「サファイアーズ」リーディング公演


本作品は、ザ・サファイアーズという、オーストラリア先住民アボリジニの4人姉妹ボーカル・グループが、ベトナム戦争への慰問ツアーに戦場に赴いた際の 喜怒哀楽のストーリーです。映画にもなった、実話にもとづく傑作ミュージカルのリーディング公演が早稲田大学で行われました。

 https://www.facebook.com/rmusicalsapphires/

 

2008・2010年 「ウィンドミル・ベイビー」


オーストラリアの戯曲を数多く日本に紹介している演劇企画集団・楽天団がデービッド・ミルロイの代表作「ウィンド ミル・ベイビー」を2008年と2010年に上演しました。可笑しくて悲しいこのおとぎ話の登場人物12人全てを、「アイ・ラブ坊ちゃん」や「雪の女王」等、数多くの舞台経験を持つベテラン女優・大方斐紗子さんが一人で演じ、話題を呼びました。

楽天団公演『ウィンドミル・ベイビー』再々演

 

2008年 「ユートピア−アボリジニが生んだ天才画家 エミリー・ウングワレー」展


エミリー・カーメ・ウングワレーは、80歳を目前に初めてキャンバスに絵を描いた、アボリジナル・アーティストです。彼女は1988年から1996年にかけ、オーストラリア中心部の砂漠地帯にある故郷、ユートピアというをテーマにし3000点とも4000点ともいわれるキャンバス画を描きました。その作品は絶賛され、20世紀を代表するジャクソン・ポロック、マーク・ ロスコといった抽象画家と、並べ評されています。
2008年に国立国際美術館(大阪)、国立新美術館(東京)で開催されたエミリー・ウングワレー展では、120点の作品が展示され、12万5千人の入場者を記録しまし た。

エミリー・ウングワレー展/アボリジニが生んだ天才画家 エミリー・ウングワレー展/アボリジニが生んだ天才画家 エミリー・ウングワレー展/アボリジニが生んだ天才画家

(Above left) My Country AKA The Last Series, 1996,Synthetic polymer paint on canvas, 58.0 x 87.5 cm,Collection of Amanda Howe,© Emily Kame Kngwarreye. Licensed by VISCOPY, Sydney, 2007.

(Below left) My Country, 1996,Synthetic polymer paint on canvas, 55.5 x 76.5 cm, Private Collection, © Emily Kame Kngwarreye. Licensed by VISCOPY, Sydney, 2007.

(Centre) Emily Kame Kngwarreye Photograph by Greg Weight

(Above right) Kam[e], 1991, Synthetic polymer paint on canvas, 137.8 x 303.1 cm, National Gallery of Victoria, Melbourne, Purchased from Admission Funds, 1992 © Emily Kame Kngwarreye. Licensed by VISCOPY, Sydney, 2007.

(Below right) Big Yam Dreaming, 1995,Synthetic polymer paint on canvas, 291.1 x 801.8 cm,National Gallery of Victoria, Melbourne, Presented through The Art Foundation of Victoria by Janet and Donald Holt and family, Governors, 1995, © Emily Kame Kngwarreye. Licensed by VISCOPY, Sydney, 2007.

 

リンク

・オーストラリア政府観光局(オーストラリアのアボリジニ文化)